北島敬三写真展「ヘンリー・ダーガーの部屋」 @小出由紀子事務所


ヘンリー・ダーガー(1892-1973)は人生の後半40年をシカゴの貸間に暮らし、15,000ページを超える叙事詩非現実の王国で』を綴り描いた。
不世出の偉才のねぐらにしてアトリエだったその部屋は、ヴィヴィアン・ガールズや珍獣ブレンゲンが活躍する「非現実の王国」への入口でもあった。王の死から25年を経て、取り壊しが決まった部屋の最期を北島敬三が撮影した。(→HP

HENRY DARGER'S ROOM

HENRY DARGER'S ROOM


なんでこのギャラリーは平日しか開いてないの?事務所なの?ギャラリーなの?色々謎だったのだけど。事務所の壁をギャラリーとして開放。事務所でありギャラリーであった。気前よくほうっておいてくれるのでいつまでも写真を眺めていられて居心地はよいけれど、いかんせんこじんまり。写真集のなかから数点の展示で、写真サイズも小さめだったので、すでに写真集を飽きずにながめていたわたしにとってはウウン‥(わざわざ平日休を取ってきたため若干横柄になっています。それにしてもなんで今このタイミングでの写真展なんだろう(写真集は2007年に発行)‥)。でも大きく引き伸ばしてもはや実物大?という部屋の様子は、すみずみにまで光があたり目が届き、あらためてウッときた(感想が「ウ」て)。
それにしてもギャラリーのある丸石ビルがほんとに素敵だった!なるほど国登録有形文化財オフィスビルなんだけど、受付が、受付嬢じゃなくて受付爺。威厳があるわあ。清潔でどっしりしていて、クラシックホテルが好きな人は行くとときめくと思う。行ってときめいてくればいいと思う。
さらにイイナーと思ったのは、ビル内を歩いている途中にすれ違う人々が、みな上品に挨拶をしてくれたこと。ほかの事務所の殿方も、清掃のご婦人も。素敵な建物はなかに働く人にも作用するのかしらん。上質ってこういうことねーと背筋がのびました。またお邪魔したい。