ロシュフォールの恋人たち(1967)@シネセゾン渋谷

− ドゥミ×ルグラン=ミュージカル女優ドヌーブ −
92年に銀座文化で観て以来。ひさびさのスクリーン対面なのだけど、はじまってわりとすぐに、前回の感覚がよみがえってきた。・・≪ジャック・ドゥミって‥なんかの病気なのかな‥、脳からなにか‥(ドーパミン?)が豪快に出てるな‥≫・・。ウン、そうだった。やりすぎというかはみだしというか、‥スクリーンを前にして身のおきどころのないこの感じ(芸術とモンドのはざまで)。思い出した。ウン。そうだったわー。でもやるんだよね(しかも笑いながら!)、そうだったわー。

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美人双子姉妹(眼福)の至高ミュージカル(耳福)というコンセプトはばっちりなのだけど、群舞はこれでよいのか?街でいきなり踊りだす恋人たちが、発情期の鳥みたい。でも2時間見てると、「これでいいのだ‥」と思えてくるから不思議(諦観)。
ほんと、すさまじいちからわざ。でも実際、美人姉妹とルグラン節を大画面で大音量で楽しんだら、もう、「ほかにはなにもいらない‥!これ以上の感動はないのだから!」という気持ちになる。ミシェル・ルグランの偉業。それを100%活かすジャック・ドゥミワールド。
ロシュフォールの恋人たち ― オリジナル・サウンドトラック (LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT)

ロシュフォールの恋人たち ― オリジナル・サウンドトラック (LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT)

(このサントラ一時期すごくよく聴いた。あれは熱病‥?)

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「美人ですね」と言われ「よく言われるわ」と返すドヌーブも麗しいけれど、ちょっとお転婆に見えるのは赤毛のせい?ソバカスのせい?あえてのちょいB級感を漂わせるドルアックの余裕がすばらしい。素敵素敵素敵!美人姉妹二人そろって拝めるという意味でも奇跡の一本。ほんとにこの作品があってよかった。いろんな方面から幸せを享受(いつもわりかし男はどうでもいい。ていうかあんな夢見がちで歌って踊る男はいやだ)。