ニコラ・フィリベールのまなざし〜正しき距離

かつて、ノルマンディーで
物語を排除した映画(ドキュメンタリー映画)には、なにが映っているべきか。
一昨年くらいまで、「真実」が映っているべきだと思っていたけれど。どうやらそれは違うと気づき、では、なにが映っているべきか。今日この映画でわかってしまった。すごいシンプルで大仰ではずかしいんだけど。「愛」が映っているべきなんだ。ギャーはずかしい。でもほんと。世界に対する愛、人生に対する愛、あと、映画に対する愛。それがドキュメンタリー映画。とりあえず今日この映画に映っていたもの。
こう書くと、ハートフルでほのぼのしたものを思い描きそうだけれど。愛を語るときは慎重に距離をとらないとしらけてしまうので、表現はけっこうシビア(でもないか)。フランスは(博)愛の国なんだなあ、と あらためて。

動物、動物たち
動物園が好きな人、博物館が好きな人、手を挙げて。ハーイ! 深く考えずに見たのだけれどおもしろかった。生と死がいれかわって、でもそうして行き続けていく動物たち。手をかけるしずかな情熱とふかい愛情。動かない剥製。でも生きている。同時上映の【行け、ラペビー!】は生命力と自転車愛と美しい色彩のナイスオジイチャン映画。かっこよし。
(今回の特集、未見だった【パリ・ルーヴル美術館の秘密】を観るチャンスだったのに出遅れてがっかり‥。自分のバカバカ。くやしいよう)