ファーブル昆虫記の世界 @世田谷文学館

昔観たファーブル展がものすっごくたのしかった記憶*1があるので、そりゃもう期待して、鼻歌まじりでロンロンロン♪て出かけた。事前に情報収集したときに、昔わたしを歓喜させたフランス国立自然史博物館の昆虫標本はやって来ないことを知り、心づもりはしてたのだけど。それにしても小規模な展示だった(虫だけに)。ちょっと肩透かし。でもそのおかげで、いつも1階の展示で力尽きてしまい流し見程度だった2階の常設展をじっくり観ることが出来た*2ので、まァよし。
とはいえ息子の描いた緻密な絵だとか、ファーブルの書いたお手紙とか、マニア心をくすぐる展示*3。わたしはただの昆虫ファンなので、もっと昆虫を!という気持ちだったけど*4。そんなわたしの心をなだめるように、廊下の壁にびっしりと、世田谷区の備品(?)の蝶の標本が展示されていた。昔ファーブル展で観た、フランスの自然史博物館からやってきた昆虫標本は、虫と虫との間隔だとか余白の間隔がものすごい完成度で芸術的でお洒落で。昆虫標本にもエスプリが!おそるべしフランス魂!って感動したのだけど。世田谷区からやってきた(ってココ世田谷区・・・)蝶々の標本は、余白の美とか考えず、ドバン!ババン!なんというかドメスティック。昆虫標本のグロテスクな美というものが色濃くでていて、これはこれで素晴らしい(好きさ昆虫標本)。予想外にたのしかったのは、映像コーナーで大きな画面で見るファーブルの擬似ドキュメントフィルム。昆虫のおもしろさというものについて考えて思い当たるのは、同じ地球に、自分たちとはまったく違う時間軸・大きさの単位で生活する生物がごくごく身近にいるということだと思うのだけど。普段昆虫たちは小さすぎて、よく見えないので。こうして大きく見ると、その別世界ぶりがあらわになって*5、ひれふすしかないような気持ちになった。昆虫って、ほんとに、イイものですね。
とか言いながら、自分の部屋に虫が入ってきたらイヤだけど。ゴキブリもだいきらいだけど(キルキル!)。部屋のそとで虫に会うのもイヤだけど。なんという身勝手。

*1:図録を見たら、1989年の展覧会だった。1989年て!ほぼ20年前!それはわたしも虫が楽しいお年頃だったであろうよ‥。1989年てバブルがはじける前?だからフランスから昆虫標本も来日させられたのかしらー‥。なんかもう、昔すぎて色々‥いやになった‥

*2:森茉莉愛蔵の犬の縫いぐるみ、、、、、、ってほんとにコレを可愛がってたのかなァ。赤木春恵にもらったというでっかいまあるい犬の。縫いぐるみ。あまりにヘンチョコファンシーで、逆にかわいい気もするが。パッパからもらったネックレスはうやうやしい輝き。やはり森茉莉関連がときめくー。今回はビデオライブラリーも見た。なかなかおもしろいのでちょっとずつ見て行きたい。今回見たのは乱歩、寺山、安吾の3本(←自分メモ)

*3:子供向きってわけじゃあないの。子供ちゃんも来ていたけれど、あんまはしゃいでいなかった。そもそも展示物の目線が大人対応

*4:ファーブルの年表を見ていたら。子沢山で、最後の子供が72歳?のときに誕生していて驚異的と思った。二度目の奥さんは何歳だったのだろう‥。昆虫記もだけど伝記読もうっと

*5:そういえば、映画「ひなぎく」でも、「別の宇宙の人みたい」と言われたとき、ユリエ(仮名)は蝶々の標本持ってた。昆虫界はもう、ちがう宇宙ってことで。パラレルワールド。SF!