次郎長三国志 第三部・第四部(1953)

マキノ雅弘生誕百年記念上映会 @新文芸坐
はじめての次郎長。(今、タイトル打ってはじめて気が付いたのだけど、三国志とは、これいかに)
全9作あるのだけれど、出来れば1作目から観たいのだけれど、そうもいかない特集上映*1。そもそも9作目で完結しているわけでもないらしいので、観れるやつ観れるときに観とけばいいや、という気持ちで挑む。

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次郎長三国志 第三部 次郎長と石松】(1953)
やばい。次郎長、おもしろい。3作目は後半にならないと次郎長は出てこなくて、森繁久彌演じる森の石松(の若い頃)*2がメインなのだけど。森繁がもうどうしたのっていうくらいキュート。森繁がキュートに見えるなんて、どうかしたのはわたしのほうなの?若い頃の森繁に思いをはせたものの、当時40歳ってたいして若くない。どうしたわたし。お仲役の久慈あさみがびっくりするほど現代的な美人顔だと思うのだけれど(羽野昌紀と麻生久美子高島礼子を混ぜたような美女)、1953年当時にはどんなふうに映ったのかしら。
次郎長一家ってようするにチーム男子?などと思いながら、あまりに違和感なく楽しむ自分に戸惑い隠せず。でも、わたしみたいにたくさんの人が面白いと思ったから9作も出来たのだよなあ(納得)。

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次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港】(1953)
「生まれたときは別々でも、死ぬときゃ一緒よ」の台詞に、次郎長一家はチーム男子であることを確信。よっしゃ!こころえた!しかしそう考えると次郎長のリーダーとしてのチャームがパワー不足な気がするのだけれど、3・4作以外で炸裂させているのかしら。大政(神津清三郎)のほうがずっと素敵に見えるのは、単に次郎長役の小堀明男の顔になじみがないせいかしら。
さて。4作目に炸裂していたのは突然登場した加東大介のチャーム。なにこれ!かわいすぎる!!プリプリかわいさ炸裂の豚松(役名)。相撲のシーンは反則だろう。わたし加東大介は愛嬌があって憎めないところが好きなのだけれど、若い頃はこんなにかわいさ爆弾な風貌だったのか(ここまでかわいくある必要はない)。と思ったら当時42歳ですって。べつに若くねえ。いろいろ自分に衝撃だ撃沈だ。
豚松以外では石松と三五郎の場面は映画だということを忘れるほどの体温がありとてもよかった。次郎長シリーズ、いつか全編観るのがたのしみ!

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ところでこの日はこの後、5作目の「次郎長三国志第五部 殴込み甲州路」の上映もあったのだけど。明日も明後日も予定入れちゃったし3本目は観ないで加東大介の活躍を胸に今日は帰ろう‥と新文芸坐を後にしたのだけれど。帰り道チラシを読んでたら、5作目では豚松が死んでしまうんですって!かわいすぎが仇になったか?最期を見届けたかったような、そんな悲しい場面を見なくて済んで安心したような‥。(全編観るの、やめようかしら)

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どうでもいいけど連日の時代劇のせいか、会社で同僚へ、「もし」と呼びかけてしまった。しまったと思ったものの、とりつくろうと事態が悪化すると思い、なにもなかったように会話を続けたが。わたし、どうなってしまうのか。
(適当な次郎長画像がなかったので、テキトーにちょんまげ画像を載せておきます。次郎長とは無関係です)

*1:日替わりでスケジュール調整がむずかしい。日曜お昼はGSだったし←次郎長とGSで揺れるってすごいな←いやこの日はKがいたので次郎長の出る幕はなかったのだが(Kはまだ時代物に未開眼)

*2:両目かつどもり←隣の席の上品な老紳士が、この頃の森繁はまだ駆け出しで‥。どもりというのは森繁のアイディアらしいですな。それにしても両目はあるしどもりだし、ほんとに斬新でしたよ、と話していた。わたしなんて時代物にうといから、それ聞いて「そういえば石松って片目かも」と思い浮かぶくらいよ無知すぎる