十八歳、海へ(1979)/不良少女 野良猫の性春(1973)@シネマヴェーラ渋谷

官能の帝国ロマンポルノ再入門2 〜バトンは受け継がれる〜
2008年の映画納めにロマンポルノてどうよ。でもこの日行かないと「十八歳、海へ」が観れないんだもの。年末だというのにシネマヴェーラはなかなかの混雑。‥みんな、大掃除、終わったの*1

十八歳、海へ [DVD]

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中上健次原作にしては鬱屈が足りなすぎる‥(原作は未読。たぶんもっとヘビーだと予想)。鬱屈してないところにアイロニーがあるわけでもなく、落ち着かないというか居心地悪い。森本青年役の俳優さんがどこかで見た人だよなあとずっと気になっていたけれど、「小林薫(新人)」であった。納得。はじめからそのつもりで見ればよかった。何故わたしはきちんとチラシの解説文を読んでから映画に向かわないのか‥(こたえ:先入観持っちゃうのがイヤだから。にしても)。森下愛子(あまり脱ぎません)*2の胸が控えめなところに好感を持ちました。主人公の娘さん・鳩子(片桐夕子)、不良でなければ少女でもない‥。でも大層かわいらしい性格を演じてくれて夢があるので文句はありません。ロマンポルノのヒロインはこうであってほしい的ないい子。いい子というのはこの場合、不幸な状況を笑い飛ばすバイタリティとかほどよいアホさおおらかさ。アッパーな性格が、安心して観ていられていいなー。ヤクザに犯されながら「これがオンナの転落ね?」と質問するところとか、かわいくて笑っちゃう。街角ロケもなんだかたのしい。今から見るとのどかすぎる大都会新宿とか、千葉の‥どこ?街角であんなアングラヌードダンス‥ありだったのかしら。
ほどほどにおもしろいけれどパンチが弱いかしらこのあとユーロスペースでレイトショー観て映画納めにしようかしら*3、と悩みながら観ていたら、思いのほかパンチの効いたラストシーンに度肝を抜かれ。驚きながら満足。すかっと映画納め。

*1:我が家はまぁまぁ‥←目をふせて

*2:森下愛子のカラミが少ないかわりに(?)お姉さん役がセクシーシーンを担当。でもいっそロマンポルノから出てくらーい青春映画に徹したほうがよかったのではないかしらん

*3:チェコ人形アニメの巨匠たち」観たいのです。悩んでるうちに上映が終わりそうな気もするし今日行っちゃうか?と悩んでいたのだけど、ロマンポルノからチェコアニメへ、気持ちのシフトが難しい気もして断念