斬る(1967)/殺人狂時代(1968) @新文芸坐

仲代達矢 役者魂〜
今日は岡本喜八デー!混雑必至と覚悟してたのに、思いのほかすいていた新文芸坐。昼間だからか、映画好きはみんなヴェーラに行っちゃってるのか‥*1

斬る [DVD]

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おもしろかったー。痛快なり。ああもうかっこいいことってなんてかっこいいんだろう。侍社会ってようするにサラリーマン社会なので、意外と感情移入がしやすくとっときやすい気がするのだけど、これはそういうふうに描いているだけかしら。荒れ果てた村、砂嵐が舞うなか、マカロニウェスタン調の音楽(カックイー)をバックに流れ者がやってくる‥。これが美しい絵になっていて(ギャグじゃないのよ)冒頭からえらくかっこいい。物語が回転していくと今度は男たちがかっこいい。主役の仲代達矢(いい声してるなあ)と高橋悦史が魅力的なのはもちろん、まわりの登場人物たちにもそれぞれかっこいい見せ場があるのがいいかんじ。特に岸田森のニヒルっぷりったら(でも心は熱いぜ)!ああかっこいい‥!(奥さん役の田村奈巳という女優さんも暗そうでいい!このふたりが夫婦(底なし‥)っていう設定がすごく好きだー) 岸田森の役もそうなんだけど、誰の心にも愛する人がいるっていうのがいいなあ。娯楽映画の根本には愛がなくちゃね‥!そんなことをつよく思いました。
殺人狂時代 [DVD]

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去年はじめて観て、なんじゃこりゃおもしろすぎるとひっくり返った、トボけた犯罪ブラックコメディ。Kにも観せなきゃと意気込んできたものの*2。うふふこの娯楽映画の根本にある愛は、人間愛ではナイな‥。ん‥。偏執愛、偏執するのも人間ならではなのかしらん?ああでもストレートな人間愛でないことは確かで、‥そんなところがこの映画をカルト作品と呼ばせてしまうのかしら*3。すかっとした娯楽作品『斬る』と並べてしまうと部が悪いなあ。仲代達也のトボけっぷりも、こちらはちょっと度を超してるもんなあ(いやそういう話だからしかたないんだけど)。ウンやり過ぎている、でもそこが好き。特に精神病院のガジェット感が好き。「でもやるんだよ」は僕らの願い‥。Kは「どっちも面白かったけど『殺人狂時代』はやりすぎてない?『斬る』のがよかったなあ」と言っていました。あんたまぶしいよ。*4 *5

*1:ヴェーラの森崎祭、はやくかけつけたいと思いつつ、いい具合に時間がとれなくて‥。まだしばらくは参加できなさそう。嗚呼‥

*2:わたしの愛情っていったい

*3:まったく‥。すっごいおもしろかった!と清々しい気分で書いた日記のリンクから見たアマゾンのレビューで、「カルト作品」と評されているのを知ったわたしの落胆ったら

*4:それでも帰り道は、仲代達矢のかっこよさについてお互い熱く語り合いながら。ナカヨシー

*5:「ナカヨシー」というのは、ご存知みんな大好きテレタビーズのきめ台詞なんすけど。わたしの姪(3歳)は母親(わたしの実妹)の洗脳のおかげで2009年にしてテレタビーズ大好き幼児。近所の幼児ともだちに「ナカヨシー」言いながらハグしてころばしたりしてるんだけど、姪よ、その「ナカヨシー」が通じる幼児はあんまりいないぞと思うと不憫でなりません