muro式.3 ショートストーリーオムニバス 算 @シアターグリーン

お芝居のこととか全然わからない素人の感想なんだけど、おもしろかった。なんもわからんながらも、ムロさん×永野さん(ヨーロッパ企画)×本多さん(ヨーロッパ企画)、イコールきっとおもしろい。という勝算はあったのだけど、そのとおりおおあたり。実におもしろかった。
セットらしいセットがないシンプルな舞台風景がよかった。いろいろ想像できたし、演技に集中できた。あんななんにもない空間からドラマを生むってすごいな。演劇っておもしろい。演じ手が楽しんでいるのが伝わってくるのもよかった。「3人でショートストーリーオムニバス」というかたちで出来ることすべてやりきったような見事さ。なのにさらっとしてんの。ムロ式の奇数公演はこのメンバーで固定したいと言っていたけどほんとかな。また見に行きたい。
(まさかとは思うけど、これから大阪公演を観に行く人は、以下読まないでくださいね)

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オープニング「算」: 脚本 向田邦彦
ルームメイト3人の、お別れまえのひととき。ミカンとか寝っころがって手足ジタバタとか、おもしろいけどウォーミングアップぽいほどほどさ。
バックパッカーズ・ハイ」: 脚本・演出 永野宗典
舞台は中近東のどこかの国。捕まってしまった大学生3人という設定の、不謹慎な社会派コメディ。不謹慎なんだけどおもしろかった。不謹慎なんだけど、おもしろがることで、身近なものとして見られるというか。不謹慎だけど愛があるのがわかるからいいのよ〜。アイラブニューヨーク(ちょう不謹慎)のハートの勘ぐりとか、くだらなくってカワイイ。いとしい。これがいちばん好きかも。
「オギャー!!!」: 脚本・演出 本多力
舞台はお母さんのおなかのなか、輪廻転生中のみつごのはなし。メルヒェン。へその緒。プロアクティブ。タイトルにエクスクラメーションマークがみっつあるのはくどいと思ったけれど、見終わったら「みっつ必要だよ‥!(ジーン)」となった。本多さんの初脚本作品らしいのだけど、初にしてこの完成度はすごい。てか脚本書けるってすごい。輪廻転生もお寺の息子さんが云うと説得力ある気がする。
「小4のエース、へ」: 脚本・演出 ムロツヨシ
引越してしまうリトルリーグのエース(小4)にエールを送る大人たちの話。舞台が日常ってすごく新鮮(わたしが普段見る演劇がヨーロッパ企画だけのせいなのか、ほんとに新鮮)。「俺が、着ると、かわいいんですよ!」 オーバーオールは複線だったのね。スーパーマリオのこと全然知らないわたしでもじゅうぶん楽しめたけど、知ってたらもっと楽しめたっぽい。ちょっとくやしい(Kにあれは一般常識レベルと言われたのがまたくやしい)。
ふつうはお芝居のあとでこういう話はしないんです、余韻をこわすから。でもムロ式に関しては、ここ含めムロ式ですから!というわけで、上演後にトークのサービス。「オギャー」と「小4」のあいだの暗転中の舞台のうえで、永野さんがパンツいっちょで大道具を運んでいるという話がおかしかった(ムロさんと本多さんは出番に備えて着替え中)。すごい目をこらせば見えるのかなあ。しかし役者さんは暗転中にごそごそよく動けるというか(客席からは気配しか見えない)、鳥目じゃつとまらないんだなあ(なんつうくだらん感心ポイント)。
ケタケタ笑って、少ししんみり。すべての話に命が関わってるのは偶然なのかコンセプトなのか。なんにしろ「今日はこれ見てよかったねえ!」「ほかにもおもしろいもの(演劇)あるかもねえ!」など満足にひたりながら家路についた。(今日はキセルの海岸ライブの日だったので(このチケット買ったあと発表になった)、つくづく、これがおもしろくてよかった‥)