日本映画の旗手たちvol.14 世界照準!SUSHI TYPHOON再検証!! @新文芸坐

スシ・タイフーンってご存知でしょうか。日活の日本実写映画の海外配給レーベルなんです。ええと、これだけじゃ言葉が足りないかな。海外配給する作品の特色は、鮮血・アクション・特撮愛‥ 余計わからないかな、よし公式サイトから引用だ。

海外で認知されている日本映画作品作品といえば、小津、溝口、黒澤明、そして北野武と日本のアニメーション。しかし今、人気を呼んでいる作品はそれだけではない。北米を中心に海外の映画ファンなど若者達を虜にし、海外DVDセールスで驚異的なセールスを記録した驚愕なゴア・アクション作品『片腕マシンガール』(井口昇監督)と『東京残酷警察』(西村喜廣監督)。
その作品を生み出した配給会社とその一団が、さらに作品のテンションを最大限に引き上げた映画を連打するため、日本初の本格的海外征服レーベルを立ち上げた。
それが The SUSHI TYPHOON
ターゲットは北米を中心にした海外。アクション、バイオレンス、ホラー、コメディ、そしてLOVE!世界の映画ファンが観たいと思う日本映画を提供するレーベル軍団。
それが The SUSHI TYPHOON
(略) 
ここから日本映画の新たな歴史がはじまるのだ。

勇ましいですね。そんな勇ましいオールナイトにでかけました。この日は夕方鶯谷踊ろうマチルダのライブを見て*1、池袋でお茶飲んで。その足で新文芸坐にゴー。忙しい日もたまにはあるさ(自分でいれた予定とはいえ、もっとまんべんなくあればいいのに楽しいことが)。

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開場後ロビーをうろうろしていたら、上映作品ポスターの前でキャッキャとはしゃぐ男性2人組がいた(Vサインしてポスターと写真撮ったりしてた)。もしやと思ったら案の定。千葉監督(写真むかって左端)と坂口監督(左端の隣)でした。なにそれ可愛いんですけど。千葉監督はトークショーで、「いちばん年上」「スシタイフーンから抜けようとしている(裏切り者)」「あのエイリアン、イルカだよね」「コーヴ」「コーヴ」とさんざんいじられていた。これもなかなかかわいらしいなり。いちばん年上なのか。外見や穏やかな物腰から常識人に見えたけれど、この「AVSN」について、撮ってる段階ではまだスシタイフーンの話は来てなかったと言っていて、意味がよくわからないのだけど、別のところから企画が来てたのかな?スシタイフーンと関係なくエイリアンと忍者の話を考えるなんてかたぎではないのかしら。
千葉監督は、5監督+1プロデューサーという大人数でトークをしたら自分はなにも話せないだろうと予想して、単独で短いトークもあった。「て思ってたんですけど、みんなに話を振ってもらってさっきもけっこう話せたんですけど(微笑み)」。そうだよね、ほかの監督も常識人というかそのへんの礼節はしっかりした大人なんだよ。

AVN/エイリアンvsニンジャ [DVD]

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この作品について、「フェイスブックコンゴ(だかケニア)の女の子から感想メールが来たの。おもしかったって。海外配給作品とはいえ、コンゴで観られているなんて思わなかったからすごくうれしかった」だそう。忍者は海をかるく渡るな。自分には特撮愛とかエイリアン愛が薄いからわからない部分も多かっただろうけど、若い役者さんまんなかの3人がそれはチャーミングでした。アクションもかっこいい。エイリアンの赤ちゃんが哺乳類ぽすぎて涙目になりました。

極道兵器 [DVD]

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これは坂口拓監督・主演の、昭和漫画が原作だそうです。この映画がいちばん狂ってると思ったのだけど、いちばんめちゃくちゃなのが原作ありってそれでいいのかと思ったり、漫画だものめちゃくちゃよ。それを実写にする男気を見ろやあって思ったり。めちゃくちゃでした。極道兵器より女体兵器のほうがインパクト強い強すぎる。

ヘルドライバー [DVD]

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この日の真打じゃないでしょうか。写真右から2番目の西村監督作品。トークショーで、自分の嫌いな、差別とか日本の政治をブラックに入れこんだ、みたいに言っていたけれどううむほんとだー。むちゃくちゃなんだけど世界の作りこみがすごくて感動した。撮影は2週間て言ってたかな、造形にもそんなに時間(もお金も)かけられなかったと思うんだけどすごく丁寧な作りあげだった。物語のメインは母娘の対立になるんだろうか。「北日本が謎の病原菌におかされ、東京がそれを阻む」みたいな設定が、海外でしきりに311かと聞かれたけれど実際はその前に出来ていたので違うそうです(海外すごいな。そんな設定でゾンビ映画作れる自由さがあるの?)。でもそういうふうにも見えるから、さらに上映しにくくなったとか。

デッドボール [DVD]

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写真ではまんなかの山口監督の。派手な映画を3本続けて観て頭がおかしくなっているせいかすごく楽しめました。主演の坂口拓もかっこいいけれど、星野真理の女優魂が(?)見上げたものでした。ひょろひょろの「童貞クソ野郎」という役で、詰襟着て丸眼鏡かけてあんな台詞こんな台詞ひどいこと言ってもチャーミングで上品でした。気のせいかな。でもすごいよかった。物語が「???」なので清涼剤を求めていたのでしょう。いいじゃん。

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派手な映画を4本観たなァ。おもしろいんだけど、もっとこう‥。もう少し女性客を取り組むには何が必要なんだろう(自分ふくめて)(いや女性客けっこういたけれど。特撮に理解がない人に訴えるには)。いつか第二弾があるのなら、そこを少し考慮してほしいです。

*1:ライブで2時間立ってたせいか、オールナイトの帰り道は足がパンパンにむくんでいた。靴はここまできつくなるのかと思った