酔いどれ詩人になるまえに

しまりのない映画だけれど、主演のマット・ディロンリリ・テイラー好きなわたしには、二人が魅力的に写っていたのでよかった。魅力といっても、「もう若くない二人の倦怠や愛情」という、これまたしまりのない魅力だけれど。ムーディでよかったよ‥ 特にリリ・テイラー‥(の体型‥)(いや、マット・ディロンの体型にいたっては、もう完全に樽なのだが)。
リリ・テイラーをはじめて意識したのは94年に観た「アリゾナ・ドリーム [DVD]」で、はじめは「なんておもしろ顔の女優さんだろう」と呆れたような気持ち(顔が小型犬とかコウモリに似ている)でいたのが、話がすすむうちにどんどん可愛らしく見えてきて、映画が終わる頃には「なんって可憐な女優さんなの!」ってなったのが、我ながらすっごく不思議で、「これが女優マジックか」と思ったものです*1。それ以来ファニーフェイスの星!と拝んでいるのだけど、この映画では、「ファニーフェイスっていうか、けっこう正統派美人では?」という場面がけっこうあり‥ それはそれで魅力減(当社比)というか、ちょっぴりさびしいきもち。(しかしわたしのこの感想はKにはあっさり却下。「いやいや全然おもしろ顔だから」。エー、そう??) 包帯をまいてあげるシーンの、アホまみれのつかのまの幸福がせつなくてギューときた。

*1:このマジックは、出演時間が短いと起こらないもよう。←当社比