美学校:乙女と映画の魅力

今回は特別授業。京橋・映画美学校で映画のレクチャー。一年生の授業にお邪魔するかたちで参加。はじめて姿を拝見する一年生。みんなかわいい(親ばか?)。映画美学校のある片倉ビルはクラッシックでいかめしく、雰囲気があっていいかんじ。試写室での授業。うれしいな。椅子はやわらかく座りごこちよし。先生は映画監督を意識した格好*1。二年生のおやつは明治のミルクチョコレート*2。京橋には明治製菓の本社があるものね‥と思いきや、明治製菓は本日上映する映画のスポンサーで、そのせいで小道具としてチョコレートがしょっちゅう画面に登場するのだとか。それにちなんで。なるほど観ていたら、あちこちに出没・活躍してた。チョコレートがちょっとした贅沢だったころ。
課題映画は「三人娘シリーズ」。そういえばヌマ先生、このシリーズを「乙女映画ッ」って推してたものなァ。まずは一作目のこれを2/3ほど鑑賞。

ジャンケン娘 [DVD]

ジャンケン娘 [DVD]

途中休憩がはいり‥時間切れ(?)。あとは各自DVD借りて観てネとのこと(えー)。そのあと2作目の「ロマンス娘 [DVD]」と3作目の「大当り三色娘 [DVD]」のハイライトシーンをヌマ先生の見どころ解説付きで。たしかにカラフルでモダンで幸福感あふれる乙女映画。(すてき!)
美空ひばり、17歳にしてこの(貫禄)!」「女の子の友情は3人がいいのかねえ。役割分担とか上手にできて長続きするのかしらン」なんて考察も興味深かったけれど、雪村いずみのことは100%「いずみちゃん」、とちゃん付けで、美空ひばりについては60%くらいちゃん付けで。江利チエミに対してはちゃん付け率30%程度だったのが、これまた興味深かった‥(三人娘のキャラクターによるんだけど‥)(に・しても雪村いずみ可憐だな〜!「恋は異なもの・味なもの」を見て、なんてキンキン声の娘さんだ、と敬遠していた自分をバカバカ!ってなじりました。ほんとーに美少女キャラ。すんばらしい‥!)。
「ぼくはこういう古い映画を、古いものとして観てないんですよ。だって新しくない?」。わーんヌマ先生!思いっきり同意です!ああ映画のおはなしおもしろいなあ(単にわたしが映画好きだからか)。授業とかぬきにして、どこかの名画座で「沼田元氣セレクト上映会」とか企画してくれたらいいのに。生徒さん以外にもそういうの待ってる人たくさんいると思うんだけどなあ。でも上映権の問題がいろいろややこしいって言ってたから難しいのかな。このごろ古い日本映画を観てなくて、自分のなかで渇望してたのが満たされたかんじ。古い日本映画って、古い外国映画にも現在の日本映画にもない、なにかすごい吸引力があると思うのだけど。それがなんなのかはおいおい考えていきたいのだけど、今言葉にするとしたらしあわせな無鉄砲さかなあ。映画を、未来を信じているような。それと、「近くて遠い」感(そこに行ってみたくてジタバタしちゃうような)‥。

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映画に関しては、「たくさんの映画を」「一人で」観て欲しいとのアドヴァイス。ううむ、なるほど。「たくさんの」というのはよくわかるけれど、「一人で」というのはナンデだろ?(まあ、たくさん観ようと思ったら、一人で出かけざるを得なくなるけど)

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その他、ヌマ先生推薦の乙女映画は、成瀬巳喜男の「おかあさん [DVD] COS-030」(僭越ながらこれわたしも乙女純度たかーい!て思いました‥(→☆))、次点として「(高峰秀子の)かあちゃん」や「「粘土のお面」より かあちゃん [DVD]」も*3
アシスタントのYさんの乙女映画は「ピクニック at ハンギング・ロック ディレクターズ・カット版 [DVD]」。これは昔オリーブで酒井しょうこさんがおすすめ映画に挙げられてましたよね(古いはなしだ)。消えてしまう白い少女たち、ビクトリアレース‥。乙女映画の鉄壁(涙)‥。隠しだまとして「少年は虹を渡る〜ハロルドとモード」も。これは映画「メリーに首ったけ」で、キャメロン・ディアス演じるメリーが「好きな映画」に挙げてた映画。でもいま現在ソフト化されてないという。わたしは友達からwowwowを録画したものを借りて見た。少年と老婆のラブストーリィ(まじです)。ふしぎな熱にうかされたような映画だった。乙女映画かあ。また観たいな。
スタッフのロマンスグレーSさんの乙女映画は、「ひなぎく」(ダイスキ(→☆)!ビデオ持ってるけどDVDも買ったよ)。Sさんはもう長いこと映画青年でいらして。日本でいちばんさいしょに「ひなぎく」を上映(自主)したのはSさんたちだそう‥(しかもこの映画美学校で)!Sさん、タダモノではないと思っていたけれど!今日のこの上映会もSさんがいなかったらなかったそう*4。ああ、この講座はすてきなひとたちに支えられて成り立っているのね‥!ジーン。おおいに感じ入りました。チャームアシスタント(女子)お二人のフェイバリット乙女映画も聞きたい!ジタバタ!あなたのわたしの乙女映画知りたい!ジタバタ。一年生には「あなたの思う乙女映画3本」の選出が、宿題として出ていたけれど。二年生のわたしは、結果集計をたのしみに待つばかり*5。ジタバタ‥。
うらやましいので自分も考えてみた。「ひなぎく」「美女と野獣 [DVD] FRT-270」「不思議の世界絵図 [DVD]→☆)」かしらん‥。「ヴァージン・スーサイズ」も考えたのだけど、暗いので、あっさり却下‥。うーん「地下鉄のザジ」も捨てがたい。‥日本映画を選び損なっちゃった。日本映画なら「お嬢さん」?「銀座二十四帖」?「観賞用男性」??煩悶はつづく。(たのしい)

*1:でもいつも三つ揃いよねん。ニッカボッカもよくお召しになられてるし‥

*2:試写室は飲食禁止なのでロビー?で

*3:余談だけど「ハードキャンディ」の感想を「つらかった‥」とこぼしたのが可笑しかった。そりゃつらかろう‥

*4:それなのにSさんは映画の話を振られても、「一年生の生徒さんでまだ便箋の発注をしてない方!」なんて言って業務ひとすじ。ちょっと!かっこよすぎ!

*5:たぶん授業でもらえるはず。今日も一年生の乙女本集計結果いただいたし。おお、今年は尾崎翠がランクインしてないのね。去年の集計を見てあえてはずしたのかしら?去年とはびみょうに違う顔ぶれが興味深いです