美学校:ゲスト曽我部恵一

今日のおやつは、“洋菓子好きの曽我部さんのために”、ウェストのシュークリームと珈琲。ウェストのシュークリーム、はじめて食べた。すごく、ずっしり。持った瞬間ふつうに重い。カスタードクリームたっぷりの、さりげない実力派(食べごたえ)。
今日のゲストは曽我部恵一さん。サニーデイは大好きだったけど。乙女講座に曽我部さん。なんで?戸惑ったもののそういえば、去年の生徒さんにとったアンケート、「あなたの考える乙女ミュージック」で、「コーヒーと恋愛」は3票集めてみごと第一位に輝いたのでした(非公式)*1
そんなわけで(?)、トークショーでありライブショーである今日の授業。お話のあいまに、なんと5曲も歌ってくださいました‥!(東京、女たち、あじさい、コーヒーと恋愛、月光荘)しかも、自ら。歌詞とか曲名について話がゆくと、「‥。歌いますか?」ってギターを手にしてくれるの(ギャー・かっこいい‥)。去年の暮れに見たトークショーでもそんなかんじだったし、歌うことで空間を共有することがほんとに好きなんだなあ。素敵だ、無敵だ。
ものを集めたりすることが好きだったけれど、子供が生まれたら、そんなこと言っていられなくなって。いい意味であきらめがよくなった、と笑う曽我部さん。歌がギターがうまくなりたい、もっと自由に歌いたいという以外に、いま、特に、欲しいものはないそう。満ち足りた感があれなのか、先生にチクチク言葉で刺されていました。愛の棘。
なにがきっかけだったのか、新しい、日本の美の基準をつくるべきだというはなしに。「だっていまだに外人のモデルさんだなんておかしいでしょ」「たとえばモデルさんと並んだら、たいていの人は劣等感持っちゃうと思うんだけど、そんなことないでしょう」「若い子がエネルギーがあって美しいのは認めるけれど。それはそういう時期なんだから。シワがシミが美しくないなんて誰が決めたの!若さと美しさは同じじゃないでしょ!」「あ、なんかエキサイトしちゃったな、すみません」。かるく笑う曽我部さん。「すみませんだなんて。そういう話を待っていたんですよ!(ヌマ伯父先生)」 「 ? (曽我部さん)」 「この講座、美しく歳をとるための講座なんですよ!(ヌマ)」 「えー、そうなんですか?(ソ)」 「そうですよ‥!打ち合わせのとき、お話ししたじゃないですか‥!(ヌ)」 「‥‥。 聞いてませんよ‥ (ソ)」。一同笑い。笑ってる場合なのか‥。でもまあ終わりよければすべてよし。具体的に、どういう方を見て、美しく歳を重ねていると思いますか?という質問に、「娘を幼稚園(?保育園だったかも)に連れてゆくのはボクの役目なんですけど。そこで見るお母さんたち‥。40歳くらいの方もいるんですけど、地に足のついた生活感があっていいですね。美しいと思います」。なんだかジン‥と感動したのもつかのま、照れ隠しなのかほのかな下ネタにいき(日記上自粛)、この話題終了。
街のはなしで、「東京はどんどん変わっていくけれど、ノスタルジーだけじゃなくて。(サニーデイ当時は喫茶店のラブソングだったけど)今はケータイショップのラブソングを(美しく)作らなきゃいけないかなって思ってる」とおっしゃったのがたくましくて素敵だった。でもケータイショップのラブソング‥。とんと思いつかないけど‥。無理はよくないとも思うけど。
曽我部さんがご自分のことを「オバチャン気質」と言ったら、先生が、「芸術家気質とオバチャン気質はシンクロするからいいんですよ!ひらめきとか、誰がなにを言っても自分の好みを押し通す強引さとか‥!」。言われてみれば‥。おふたりとも時折オバチャンイズムをほとばらしている‥。‥そんなら来期からは“素敵なオバチャン講座”でいいじゃん‥(よくない)*2
質問コーナーでは、「審美眼。ものごとの本質を見る目。それがいちばん大事」などとおっしゃりながら。「娘には‥。優しい人になってほしい。誰にでも優しく出来て、誰からも優しくされるような」。「でも、“そんな奴に優しくするんじゃない!”みたいな男を将来(恋人として)連れて来たらどうする〜?(ヌ)」「全身タトゥーは?(ヌ)」「自分より年上は?(ヌ)」。「自分より年上はイヤかな〜、しゃべりづらい‥(ソ)」 「もう!フランスではそんなの当たり前だヨ!?(ヌ)」。そうなのか?当たり前なのか??フランス幻想???
「ものづくりをしている人たちへの激励の意味もこめて。創作していて、ブラックボックスを開けた瞬間というか、これがきっかけで、みたいなことってありますか?」という問いに。自分のきっかけは、デビュー当時の挫折かな、などと言いながら、「でも、ものを作るだけが人生じゃないから。子供を生んで育てて‥。自分の生きていたあかしをどこに残すか‥」「ものを作る人っていうのは、(周囲の評価がどうであれ)作ることをやめられない」「あきらめるなんて!おばあさんになってからすごいものをつくる人だっているんだし。あきらめたら終わるよ*3」。すごい情熱‥!正直、こんな熱い方だったのか、と驚いたのだけど。サニーデイは十年前だもの、色々時が流れて、若さの照れ隠しがなくなったら本質は熱かったというか、そういう時期になったのだなあ。むむむ‥。

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講座2年生(中級編)も残すところあと一回、来月の授業だけ。早い‥。来年度のお知らせが来たけれど、進級(留年?)どうするか、考えどころだ‥。たのしそう!行きたい!きもちは山々だけれど、その気持ちに冷静にならないと、永遠に卒業できなくなってしまう‥(しかし永遠に学費が捻出できるわけではく)(でも授業料ういたー!って衝動買いしそう‥。馬鹿ってこわい‥)。正式ゲスト講師陣が発表されたらまた悩もうかな‥。

*1:授業のときは、2票と言われて色々な曲と同率一位だったけれど(すごく票がバラけたのです)、後日アンケート結果のデータを数えたら3票入ってた。隠れた第一位。(→☆) 

*2:否、素敵なオバチャンという概念を生むことは必要だと思うけどまじで。むずかしいの?そんなに。そんなことないと思うんだよなああ

*3:曽我部さんの最近よかった映画は「街のあかり」だそう。五車の術にひっかからず見れば感動するのかしら