ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた

題名*1にもチラシにも予告編にも。あまり心を惹かれなかったけれど。yukazo_kさんの日記(→☆)で、ハル・ハートリー作品にでていた女優さん・エイドリアン・シェリー*2の監督した映画だと知り、俄然「観なくちゃ!」となりました。なんでその情報を出さないかなあ。ハル・ハートリーの名前を出しても集客を見込めないのかなあ。そういえばギンレイホールで、ハルの映画、「シンプル・メン」「トラスト・ミー」「愛・アマチュア」を観たのは、95年のことだもの。もう干支がひとまわりしちゃってるもんなあ。新作の日本上映もぜんぜんないみたいだし‥(わたし自身「フラート」があまりピンとこなくて、「ヘンリーフール」観てないので、あまりえらそうなことは言えないのだけど‥)*3。でもそんな中だからこそ、関連したこういう情報を待ってる人がたくさんいるはずなのに。ブーブー。
そして映画、「ウェイトレス」。物語は、不幸な結婚生活にピリオドをうとうとしていた主人公に妊娠発覚。診察にでかけた産婦人科医と恋におちるも‥という、自分探し系ロマンスともいえそうなもの。でも、わたしは思うのだけど。物語はあまり重要じゃなくて。語り口が重要なんだ。物語、この世界を、自分のものとして、どう構築して・どう伝えるか。すべての人は、これを試みているのでしょ。この映画のなかで、それは、ドライかつ慈しみを持って、じつにいい距離感で描かれる。デリカシーとタフさが感動的で、ちょっとファニーなところがかわいい好作でした。しかし好作であればあるほど、惜しい方を亡くした(詳しくはエイドリアン・シェリーのキーワードを)と思ってしまうのがかなしいです。合掌。

*1:原題はシンプルに「ウェイトレス」。←声を大にして言いたい

*2:エイドリアン・シェリー:右側) 今回はじめて顔と名前を一致させた。でももう彼女はこの世にはいないっていう‥。なんてこったい。どうしたって、もっと映画界で活躍してほしかった(そのはずだったのに!)、と思ってしまうのがなあ。うなだれるなあ

*3:関係ないけどジョン・ウォーターズの新作だって、ぜんぜん話を聞かないし、日本てほんとに文明国なのか