盲獣(1969)@ラピュタ阿佐ヶ谷

盲獣 [DVD]

盲獣 [DVD]

脚本家の白坂依志夫氏いわく、純愛映画だとか。成る程。江戸川乱歩原作の純愛映画‥、成る程たしかに。直球すぎ・ダイナミックすぎでクラクラしちゃうけど、その気概に脱帽。ここまで大胆に正面からやってもらえれば、言うことはないです。Death。
(‥‥。DVDのこのパッケージ。「盲獣」、海外で人気らしいけど、なんだかわかる。逆輸入の英語吹き替え版を字幕で観たほうがすんなり楽しめそう。台詞が観念的すぎるのか)
しかし緑魔子の顔を何度見ても覚えられないのは何故なんだろう。この映画のなかでも、見るたびに違う顔をしている‥。実像をたしかめたくて、ついその表情に集中してしまう。‥色っぽいなあ。暗い声も色っぽい*1。こんな暗い色香をこんな正面から‥。ありがたいです。Death。

*1:どうでもいいけど。わたしは中学校に入ったばかりの頃、生物の教師が単細胞生物のことを「下等生物」と見下すのがなんとも腹立たしく、抗議したことがある。生物教師は、「ここは生物学の授業だから。哲学の授業じゃないから。体の仕組みが単純なことを下等と定義するのは仕方ない」と実に正面から返答を呉れて、おかげで納得できたのだけど。今思うと、ふだん大人しい少女が意を決してそんな抗議。思春期の自分、不安定すぎ。←緑魔子が、昆虫のことを「下等動物‥」とアンニュイにつぶやくたびに、思い出がフラッシュバック