いまここにある風景/バックドロップ クルディスタン @新文芸坐

「ワールド・プレミアム・シネマ Vol. 3」ということで(?)ドキュメンタリー2本立て。おもしろかったけど映画の日なんだから、もっと派手な普段観ないような映画を観ればよかったかな(でも新文芸坐の上映は今日明日の2日間だけなので仕方ない)。

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【いまここにある風景】

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http://imakoko.cinemacafe.net/

人類の発展により大きく変えられてしまった風景を撮り続けるカナダ人写真家E・バーティンスキーが中国を訪れ、この国の産業発展が及ぼした巨大な影響を記録した衝撃のドキュメンタリー。

「メッセージをこめると、観た人がそのメッセージに対する感想を持ってオワリになってしまうので、あえてメッセージ性はこめなかった」とのことなのだけれど。そのとおり、さすがは中国、途方も無いスケールとやけっぱちのような日常に、ただただ息をのみながら、ありえないグロテスクさは幽玄的な音響と重なって、奇妙に美しく見え困ってしまった。写真家の撮った映画だなあ。見たことのない風景という点ではすごかった。

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【バックドロップ クルディスタン
http://www.back-drop-kurdistan.com/

居場所を求めて日本へやって来たあるクルド人一家を追ったドキュメンタリー。国家を持たない世界最大の少数民族クルド人は、トルコ政府からの弾圧・迫害により多くの人が海外で暮らしている。

おもしろかった。なんて軽々しく言っちゃっていいのかな。予告を見たときは気付かなかったけれど、主役のクルド人一家のすわりこみ現場に通りがかり署名をしたことがあり、知ってる人だー‥!と親近感がわき(?)、手に汗にぎってじいっと観た。はじめは傍観者だった青年(監督)が、それだけじゃいかんって立ち上がりトルコへ行って彼らと会う。向き合いたい、なにかを理解したいという希望が見える、これぞ若者のドキュメンタリー。Kが見たらすごく感動しそうだったのに見せることが出来なくて残念。(以下すこしだけ映画の核心にふれます。たたみます)
しかしあえて感動的な脚色をしなかった点は立派だけれど、あのお父さんはとても魅力的なトラブルメーカーなのでは‥。そんな歌をしょっちゅう歌って「迫害されてる」と主張されても‥。そういう変わり者が世界を動かすんだよ!なんてKは笑っていたが。