個展 忌野清志郎の世界 @ラフォーレミュージアム
少年時代から2009年までに描いた絵画、レコードジャケットやポスター、そして衣装、ステージ写真やポートレート、本展のために編集されたスペシャル映像などで見る、「忌野清志郎」という比類なき個性。(→HP)
ファンなのでね、うれしかった。出来れば彼が生きているあいだに見たかったけれど。あまりに突然だったしね。アルバムプロモーションのポスター、あの時代ふくめてスゴク懐かしかった。ステージ衣装の展示は、「こんなものほかの誰が着てもかっこ悪くなっちゃうのに」とおかしかった。学生時代の油絵はやはりナイーヴなかんじがした。飾らないぶん背景が透けて見える気がして、長い間立ち止まってしまった。
さいしょ絵画展かと思っていたせいもあり、絵を見ているあいだじゅう、横の映像ブースからもれる彼の歌声が邪魔だった。大好きな歌声なのに、邪魔に感じるのがいやで、そんなふうに思わせる会場のつくりがにくらしかった。そんなわけで、ちょっとむっとした気持ちで映像ブースに入っていったら。
とたんにぐっと心をつかまれた。やっぱり彼は歌う人なんだ。あまりの鮮やかさ、問答無用さに、涙がでそうになった。
映像コーナーは日替わりで7パターンあるそうなのだけど、この日のプログラムのなかに、リアルタイムですごくよく聴いた曲のプロモーションビデオがあって。この曲を聴いていたころの感触が(たぶん当時よりうんと美化されてまぶしいかんじになって)よみがえってきて驚いた。素敵な絵を見たことが記憶は、あくまでも「絵と、自分」が世間と切り取られたかたちで残るけど、素敵な歌の記憶は、その頃の自分と世間がいっしょになって残るんだな。・・・・。映像コーナーに長居して、もう一度会場をひとまわり。もう、もれてくる歌声の大きさは気にならなかった。
- 作者: 忌野清志郎
- 出版社/メーカー: ぴあ
- 発売日: 2009/08/22
- メディア: 大型本
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うら若いおともだちが、亡くなったときの特番映像などをきっかけ(?)に、彼のCDを聴くようになったらしくて。「旦那さんには‘にわかファン’なんて言われちゃいました」と言っていたけれど。それがきっかけでも、そうして新しく彼の歌に出会って、これからの時間を彼の歌と過ごして、思い出なんかも出来ちゃったりして。そういうのが、歌が生き続けるってことだよなー。なんて思ってまた泣きそうになった。年寄りは涙腺が弱くて困る*1