ステッチ→アイウェイ→チムニー

お友達に誘ってもらって現代美術デー。

【ステッチ・バイ・スケッチ 針と糸で描くわたし】 @東京都庭園美術館
タイトルにある「Stitch(ステッチ)」とは、「針を運ぶこと」という意味です。この言葉から、あなたは何を思い浮かべますか? 多くの人が想像するのは、手芸やニードルアート、もしくは伝統的な刺繍工芸や民族衣装を彩る刺繍などでしょう。本展で展示される作品は、ともすればそうした共通理解を裏切るものかもしれません。
ここで紹介する作家たちは、時間や記憶を定着させたり、自己の内面をえぐりだしたり、油絵やドローイングとは異なる描線を得たりするために、針と糸を表現の媒体としています。「Stitch」は、作家が自身を表現するために一針ごとに行う決断の集積です。そしてそれは、誰にも身近な素材によって作られているからこそ、感触や制作に費やされた時間の長さなどを身体感覚として理解でき、表現に対する新鮮な驚きや、見ることの喜びをもたらします。(→HP

きっとわたしは好きだわと思った、秋山さやかの作品がやっぱり好きだった。その土地を歩いた記憶を地図上に刺繍して記録に残すっていう。何度も歩いた場所はぐるぐる何度も刺繍がされて、糸が厚く盛り上がっていたり。記録の断片・レシートを縫い付けたり。ちょっと冒険ぽいのがよかった。
デコライティブすぎてグロテスクな村山留里子の作品も好みだった。なんか贓物みたいでよかった。
夜警の刺繍(奥村綱雄)は、そのコンセプトに惹かれた。夜警部屋再現(?)コーナーにこけしがいて「おお!」となったけど(友達が)、こけし模写のペインティングの方らしい。名前を覚えておこう。
ヌイ・プロジェクトのオーガンジー刺繍はひたすら繊細で眼福だった。
庭園美術館現代アートを見るのはわたしはハジメテなんだけど、作家さんたちは自分の作品がここに飾られるってうれしいだろうなあ。いつもとちょっとちがう感じの展示なので、普段見られない部屋がのぞけるのも嬉しかった。

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アイ・ウェイウェイ展 何に因って?】 @森美術館
アイ・ウェイウェイ艾未未]は、現代中国を代表するクリエイターのひとりです。美術、建築、デザイン、出版、展覧会企画など多岐にわたる分野で活躍していますが、とくに2007年の「ドクメンタ12」(カッセル、ドイツ)、2008年の北京オリンピックスタジアム設計に際するヘルツォーク&ド・ムーロンとのコラボレーションによって国際的な評価を高めました。
アイ・ウェイウェイ展—何に因って?」は、本展のための新作6点を含め、1990年代以降の主要作品26点を紹介する過去最大級の個展となります。立体、写真、ビデオ、インスタレーションなど多岐にわたる表現を「基礎的な形体とボリューム」、「構造とクラフトマンシップ」、「伝統の革新と継承」という観点から見つめつつ、1999年以降の建築プロジェクトや出版物、ニューヨーク時代の写真なども併せて紹介します。アイの作品を横断的に読み解くことで、表現のジャンルとしては中間的で曖昧な領域から、文化的、歴史的、社会的な因果関係、「何が何に因って在るのか」、そして「自分はどこから来て、どこへ行くのか」という人間の根源的な問いが浮き彫りになってきます。
急速な経済発展、社会的変革の渦中にある中国に身を置きながら、独自の視点で現代を過去と繋ぎ、個人を世界と繋ぐアイ・ウェイウェイ。現代中国で最も刺激的なクリエイターが世界を見つめる眼差しを、展覧会を通して共有いただけることと思います。(→☆)

六本木に出てアイ・ウェイウェイ展。かわいい名前とはうらはらに、恰幅のいいおじさんのアイ。わたしはもちろん、美術通の友人も、今回の展示ではじめて知ったそうなのに、森美術館はなかなかのにぎわい。人は美術に興味があるのね。と思いかけたけど多分それは違くって、森美術館はデートコース(というか観光コース)になっているみたい。
いろんな人が、作品を見るために地上53階をスタスタ歩く。この行為こそが現代美術ぽいなーと思ったけれど、現代美術のなにも知らないので気のせいかも。中国茶葉を使った作品と、新品の自転車を使った作品がよかった。文字通り、匂いがあって(新品の自転車はタイヤの匂い)。
美術館を出て、セットになっている展望台へ。六本木が苦手なわたしは、初・森美術館にして、初・展望台。さりげなく振舞ったつもりが、はしゃぎすぎたのか、「もしかしてここはじめて?」。あっさりばれた。こんなものさ‥。
六本木が苦手なのは、あふれるアウェイ感。昔から、「わたしの行く街じゃない‥」と思ってた。背伸びしながら何度も行った映画館(シネ・ヴィヴァンと、シネマテン)がなくなってから、用もなくなったし。
でもこの日、以前別の友達にすすめられた喫茶店をさがす途中、気になっていたミニシアター「シネマート六本木」を見つけたり、すすめられた喫茶店がかなり居心地よくって、六本木での居場所を見つけた気分。こうして少しづつ、和解していくのかも。(写真はその喫茶店内で撮ったもの。アンティークブローチみたいな照明が素敵だなーとながめていたら、ウェイターさん(ギャルソンか?)が、「お写真撮るのでしたら、そばにお客様のいない今のうちにどうぞ」とうながしてくれた。親切なお店だ)

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【チムニーの夏休み 読書感想ポスター展】 @よるのひるね
皆さんこんにちは!私チムニーはこの夏お家の中で、図書館で、喫茶店でたくさん本を読んでいました。そして読書感想ポスターを描いたので、阿佐ヶ谷よるのひるねという喫茶店に一週間貼り出すことにしました。是非皆さん見に来て下さい。お眼を拝借!

友達と別れて、阿佐ヶ谷の「よるのひるね」でチムニーちゃんのイラスト展。何人かのチムニーファンから、「見たほうがいいよ!」と熱くすすめられていたので。実際見てよかった!原画のほうがいろいろが、うんと鮮明。楽しい気持ちが、楽しくなってほしいなと思う気持ちがダイレクトに伝わってきて、うきうきした。惜しむらくは、会場の「よるのひるね」は喫茶店なので、近くの席にお客さんがいると、絵に近づいて見ることが出来ないこと。次はギャラリーの展示に行こう。
それにしても最近実感したのは、「わたしは楽しんでいる人が好き」なのだということ。人の発する感情で、「たのしい」とか「好き」とかに、どうにも反応してしまう。自分ではもっとストイックな人間かと思っていたけれど、たぶんに享楽的な人間なのか。なんかショック。