追悼 赤塚不二夫展 @松屋銀座

日本漫画史の歴史に輝く数々の名作品を残し、「ギャグ漫画の帝王」の呼び名で親しまれてきた赤塚さん。同展では昨年8月に72歳で逝去した故人をしのぶとともに、数多くの作品、赤塚さんのギャグ人生や幅広い交友関係などの写真を通して、赤塚さんの世界を「ギャグ」という視点から紹介する。
赤塚不二夫をおもしろく・楽しく魅(み)せていく」というテーマに沿って会場デザインを手がけたのは赤塚さんと親交が深かったブックデザイナーの祖父江(そぶえ)慎さん。会場は、赤塚さんの経歴を紹介する「生誕〜トキワ荘時代」、原画を展示する「作品紹介の部屋」、懐かしいアニメ作品や新作ショートアニメの上映を行う「シアターZONE」、赤塚さんと交流があった藤子不二雄Aさんや、うすた京介さん、弘兼憲史さん、やなせたかしさんらが、「シェー」のポーズをするそれぞれのキャラクターを描いたコラボ作品を壁一面に展示する「シェー!の部屋」などで構成する。
展示作品は、「少年マガジン」や「少年サンデー」などのカラー扉を飾ったおそ松くん、天才バカボンのほか、ひみつのアッコちゃんもーれつア太郎などの200枚以上の原画や、生前未発表のイラスト、赤塚漫画に登場する漫画のキャラクター、トキワ荘時代の未発表写真など約250点に及ぶ。
ショップスペースでは、「天才バカ盆栽 パパの鼻毛はボーボーなのだ」(7,140円)や「天才バカボン パパのはらまき」(1,554円)、「18金パパのフィギュア」など約150点の同展限定商品の販売を予定する。(→HP

以前見たときも思ったのだけど、原画のペンタッチの美しさ(正しさ?)ったらない。まったくもって麗しい。画力もすごい。すごすぎる。うすい布にプリントされたものがあるんだけど、逆側から透けて見える線にまったく違和感がないのだもの。ほんと、セリフの文字がなかったら、どっちが裏でどっちか表かわからないくらい。
しかし息をのみながら、こんなふうに‘絵’として見ていたのもつかのま、バカボンの全盛期(とわたしが勝手に思うこのへん*1の作品)のものは、おかしくてふつうに笑ってしまった。何度も読んで免疫つけてるはずなのにおかしいなァ。みんなよく吹き出さずに見てられるなァ。それがおかしくてまたニヤニヤ。
写真の展示もなかなか感動的で、入ってすぐの、棺桶写真や若き日のトキワ荘の写真は、あふれる才気と色気にどきどき。女装写真だってなかなかのもの。最後のいろんな人に「シェー!」のポーズをしてもらう「シェー!の部屋」がピースフルでとっても素敵だった(祖父江さんに電気グルーヴのお二人に、なんかやけにポーズが本気だった坂井真紀‥。図録に収録されてなくてしょんぼりだよ)。
すごいショックなことに気付いた。わたし、「ひみつのアッコちゃん」、通ってない。漫画はともかくアニメも見てない。幼年期にあんなリリカルな世界‥。ああ、知りたかった。ちなみに「天才バカボン」は、アニメどころか漫画も読んでた。めまい。こんなこと言いたくないけれど、父も母もわたしの教育を間違えたのでは。

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銀座松屋の展示会に来るのは、3月の中原淳一展以来なのだけど、あのときは我慢が出来た物販コーナーが、今日は抑制がきかず。あれこれ買った。買ったった。そして買い足りない。今週銀座に行く用があるので、そのとき物販だけ寄ってしまおうか‥。(買ったのは、図録と絵ハガキとうなぎ犬の花札ストラップとバカボンクリアファイル(買いすぎてるってば)。買い足したいのは、バカ田大学の腕章ワッペン(3千円くらいして少々お高い)と大学ノート。へんな子ちゃんのDVD。うなぎ犬になれるキャップは、さすがにあきらめた(キャップが似合うスポーティな服を着ないので)。ほかにも素敵なものがたくさんあってこうふんした‥)
それにしてもわたしって人間は、淳一より不二夫派なのねえと、しょんぼりしみじみしながらも、これでいいのだ‥。そう思うしかない帰り道。

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この日は特別サービスとして(?)、図録を買った人に「バカボンのパパとの握手整理券」を配っていた。入り口に「バカボンのパパ来展!」みたいな張り紙を見たときから気になっていたので、ありがたく整理券をいただいて。どんな人が来るのかしらとわくわくして待つ。

・・・・。着ぐるみだった。がっかり。でもそうか、こんなもんか。(がっかりしたため異様にブレました。すみません)

一瞬がっかりしたけれど*2、わたしの前に握手している人たち(当然ほぼ大人。アラフォー上等)が、皆異様にうれしそうだったので、しょげてる場合じゃないのだ。そう思い直して握手。こういう着ぐるみに入っているのは小人プロレスの人たちだというのは本当だろうか。だとしたら、頑張ってください!そう思ったため必要以上に熱い握手。

*1:これほんとにおもしろいので、未読の方はゼヒ。ゼヒ。ゼヒ。

アカツカNo.1―赤塚不二夫の爆笑狂時代

アカツカNo.1―赤塚不二夫の爆笑狂時代

*2:絣の着物を着てくるんだったああああ、とまで思いつめていたため