転校生（1982）／時をかける少女（1983） ＠早稲田松竹

−映画作家・大林宣彦特集　尾道三部作一挙上映−

大林宣彦も尾道三部作もちゃんと観たことないのでたのしみにしてました。さすが早稲田松竹。わくわくしたわたしと、会社の同僚Ｍちゃんの会話。

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「今日、会社終わったら、尾道三部作観に行くんだー、たのしみ。でも『さびしんぼう』は観れないんだけど。『さびしんぼう』、観たことないから観たかったのに。まあ『転校生』も観たことないんだけど。Ｍちゃんは観たことある？」。
「ないよう〜。『さびしんぼう』も『転校生』も。『さびしんぼう』は富田靖子で、『転校生』‥は誰が出てるだっけ？」。
「小林聡美と、尾美としのり」。
「ぷ。尾美としのり‥」。
「尾道三部作、全部に尾美としのりが出てるんだよねえ。尾美とし三部作‥」。
「あのころ角川といえば*1、尾美としのりだったもんねえ」。
「そだっけ？尾美としのり、かっこよかったんだっけー？」。
「ふ。わたし、小田原で尾美としのり見たことある」。
「え‥。どだった？一応聞いておくけど、かっこよかった？」。
「ふ。全然。尾美としのりだった」。
「かっこよくないのぉ〜？‥いつごろ？いつごろの尾美としのりを見てそう思ったの*2？」。
「‥‥わたしが‥。高校生のとき、かな（尾美としのりは20代前半くらい）」。
「えー！まだ全然かっこよくていい頃じゃん。その頃ですでに‥？」。
「尾美としのりだったってばー（二度目）」。

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そんなわけで、今回の鑑賞は、少年時代の尾美としのりはどうだったか。という観察側面もありました。結論。少年時代も尾美としのりは、尾美としのりだった‥（三度目）（演技はちょううまい。と思った）*3！
尾美の話でだいぶん長くなってしまったので、映画の感想はたたみます。

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転校生 [DVD]

小林聡美の代表作は、『かもめ食堂』ではなく『転校生』だね（ほんとは『やっぱり猫が好き』かと思いつつ）。思春期にしてこの女優魂。立派だー。モジモジしまくる尾美としのりのキモチワルさも圧巻だし、ふたりともこわいもの知らずの体当たりがまぶしいよ‥！白黒からセピア、カラーにかわる瞬間は魔法のよう。ケタケタ笑って爽やかなせつなさに胸がしめつけられるラストの８ミリ愛もいとしい。愛されて映る尾道の風景もほんとに美しい。
主役のふたりをとりまく周囲の配役が驚くほど豪華。宍戸錠がお父さんて（一美家）！職業はなんなのだろう。船乗り？家では上半身裸の佐藤充（一男家）の職業も気になるー。栄転して横浜へ行くのが夢だったって‥。気になるわー。個人的に一番はっとしたのは、一美家の長兄役の中川勝彦（しょこたんのお父さん。中学生のころ友達がファンだった）。若い！つるつる！82年‥。時の流れが魔法なのか、それを見せてくれる映画が魔術なのか。
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時をかける少女 [DVD]

ほぼ初見。初見ながらも見た気になってあなどっていたのか、予想外の大感動。映画が終わってもなかなか椅子から立ち上がることができなかった。原田知世（公開当時15歳だから撮影時は14歳くらい？）はまだほんとに「つぼみ」ってかんじで開花前。よく発掘されたなあ。ぎこちない精一杯演技（カワイイ）を見守る目線が思春期をやさしく見守る姿とリンクして、いとしいやら甘酸っぱいやら。土曜日の実験室。この世界に100分ひたれるしあわせ。普段着の赤いカーディガンに下駄をひっかけた原田知世の少女性最強。それを見守る（？）尾道の町並みも最強。ロケ地巡りが流行ったわけだよ（というか映画のなかの尾道があまりに素敵なところなので、こんな素敵な場所にわたしが行くことはあるのかしら？と人生単位でいろいろ考えたくなった）。
こちらの映画も周囲をとりまく配役が豪華。教師役の岸部一徳（妙齢期）の、なんとも不気味な（？）色っぽさ。うすきみわるいわ（うすきみわるいけど素敵かも。と思わされてしまうのがなんとも‥）。深町家の祖父なんて上原謙。ここまで贅沢にする必要あるのか‥！？とも思うけれども、贅沢にやさしく、誠心誠意でジュブナイル。よかったです（しみじみ）。
エンディングは主題歌が流れるなか、ダイジェスト？で映る場面すべてで原田知世が歌ってる謎のミュージカル仕立て。はげしく意味不明ながらもはげしく知世愛を燃えさせられました。帰り道はこの世に原田知世が存在することに感謝しながらアイポットで「時をかける少女」を聴いたのですが*4、時間が経ち冷静になると、あの感動はおおげさすぎ‥（猛反省）。大林マジックにかんたんにかかりすぎた。

*1:チラシを見たら、『時かけ』以外は東宝であった。Ｍちゃんのかんちがいです

*2:一寸の虫にも五分の優しさ

*3:この日記で、というかわが人生でこれまでにこれほど尾美としのりのことを考えたことはない。日記書くまで「尾身としのり」かと思っていたし。あっ尾美としのり、『漂流教室』で関谷役やってんの？これは観なくちゃ‥！

*4:

music & me