極道(1968)/極道VSまむし(1974)@新文芸座
〜生誕80年 勝新太郎VS若山富三郎 映画道を生き抜いた二人の名優に捧ぐ〜
約1ヶ月ぶりの新文芸坐。なつかしく思うかと思ったけれど、そうでもなかった。まえに1ヶ月あけたときは、ホームに帰ってきた‥!的感慨があったのに。先月の原田芳雄特集に通いつめた(12日間の上映のうち、8日通った。ばかである)余韻がまだ残っている、というより、満腹感が、こなれていないか。
先月の新文芸坐はけっこうな混雑だったのに、今日の新文芸坐は、かなりすいていた。拍子抜け。女子率の低さは特筆もの。すいてるほうがゆったり観られるので、いいんだけれども。
極道(1968)
監督:山下耕作/脚本:鳥居元宏、松本功/出演:若山富三郎・大木実・清川虹子・鶴田浩二・菅原文太・待田京介・山城新伍
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 1986/03/21
- メディア: VHS
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若山のキャラクターを活かしたコミカル任侠映画だが、脚本化の念頭には『仁義の墓場』で知られるヤクザ社会の反逆児・石川力夫があったという。シリーズ恒例・女房清川との濃厚チューに爆笑!
ゆったりしすぎたのか、映画のまえにモスに寄ったのがいけなかったのか、途中、少し、寝てしまった。手堅くおもしろい映画だと思うんだけど、手堅すぎたか。コミカルといってもしっかり任侠で、しっかり様式美。仁侠映画にかける言葉を、わたしはいまだにみつけられない。
若山富三郎の弟分を演じる若き日の菅原文太がかっこよかった。ハリガネみたいな身体にエネルギーを充満させて、一触即発なかんじ。シリアスな役でほぼ喋らないんだけど、眼で語るんだけど、これがもう(しびれる)。死に方も最高。
極道VSまむし(1974)
監督・脚本:中島貞夫/脚本:松本功・山本英明/出演:若山富三郎・菅原文太・川地民夫・瞳順子・清川虹子・三島ゆり子
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 1990/10/26
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全11作製作された『極道』シリーズと『まむしの兄弟』が奇跡の合作!女を取り合う若山と文太のやりとりが見もの。実際の若山もこの清吉親分に近く、撮影現場はまさに若山一家だったという。若山のコスプレにも注目!
『まむし』シリーズハジメテ観たけど。下ネタのないトラック野郎みたいなコミカルな映画なのね。大御所『極道』(主演若山富三郎)のなかを、若手『まむし』(菅原文太)がちょこまかする、という設定なんだけど、それって若手がいちばん輝いて見えるパターンよね。コミカルな文太もいいな〜。いきいきしちょる。文太!(←掛け声) 素敵よ!(←掛け声)文太に夢中になりすぎて、若山富三郎のこと見るの忘れた‥。それでも、若山富三郎は怒らない気がする。だっておおらかオーラがでてたもん(懐のおおきさは大御所の魅力のひとつだし)!
映画は十二分にたのしんだものの、気がつけば文太のことばかり目で追っていた。文太なき今後の上映作品群、たのしめるか不安。