「TOKYO GOLDS COLLECTION」住所不定無職@LIVEHOUSE FEVER 〜住所不定無職2ndフルヴォリュームアルバム「GOLD FUTURE BASIC」レコ発ワンマンGIG〜

GOLD FUTURE BASIC,

GOLD FUTURE BASIC,

住所不定無職の2ndアルバムはびっくりするくらいの名盤と思う。キラキラカラフルで胸を甘くしめつけて離さないメロディーとフレーズが惜しみなく詰め込まれた1時間。しあわせすぎて泣く。しかしわたしはさびしかった。1stで、「ラモーンズみたいになりたいな♪」って歌ったのはなんだったんだよう。ラモーンズみたいになってほしかったのに。ラモーンズみたいになるのも難しいっていうのにさらに難しそうなこと始めちゃってさ。こんなのライブで再現できるの? 2ndを名盤と思えば思うほどさびしさをこじらせていた。
ほんでレコ発。キャプテンユリナのブログを見たところ、豪華ゲスト多数で、‥スカート澤部さんが来るってことはあの歌をステージで演るんだ!?うわ、これはまさかの展開。ベースに撃鉄さんを呼んでホーン隊を呼んで、これはほんきのお祭りだね?たのしみたのしみってわくわくする気持ちと上手に出来るのか不安まじりの気持ちで新代田にむかいました。(以下われながら熱量がキモチワルイのでたたみます)

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“シャ!シャ!シャイン・ア・ライト!”(たしか)から始まったステージは、ライブで再現できるとは思わなかったあのキラキラをまさかのパワーアップしたもので、住所のみんながこんなに出来る子達だって思わなかったから(ごめん)びっくりしてじんとしてしまった。わたしたちはいつだって、キュートな女の子にうちのめされたいんだ。
けっこう早い段階で撃鉄さんがベースをうならせて登場。スカート澤部さんもステージにあがり、もったいつけないのに驚いた。全編盛り上がりだから出し惜しみのしようがないのか。バカ正直な娘たちめ。ここから何曲かは澤部さんギターを抱えゾンちゃんがドラムにまわりユリナちゃんはボーカルに専念。音が厚くてかっこいい。ホーンまで増えちゃって動揺しちゃうかっこよさ。かといって4人に戻っての演奏も見劣りしてないの、頼もしい。住所のメンバーの楽器ポジションは落ち着いたようでギターをめぐる攻防はなく、でもボーカルがあちこち飛び回って重なってきらきらカラフルなたのしさは健在。健在というかシ・ウォンチュ(4月に観たライブよりうんと落ち着いてかわいいながらも頼れるかんじが二度かわいい)の加入でみんなの輪郭がはっきりしたみたい。よーこちゃんの歌ってもっとヘタうまな印象だったけどちゃんとしっかりしてた。ゾンちゃん*1アメリカ娘みたいなビッチ感ある立ち姿もすごく格好いいし(誉めてます)、なによりユリナちゃんのボーカルの進歩さときたらおそろしいのびしろじゃないかしら。ドラムも確実にうまくなってるし。みんなすごい、すごいなあって大興奮して一曲ごとに「ああっこの曲が終わってしまった!」って嘆いた。こんなキラキラな時間が今ここにこうしてあるのにライブが終わったらなくなっちゃうのが信じられなくて困った。こんな時間をあたりまえに生みだしてあっさりクールに終わらしちゃうライブってライブハウスってすごい。
そんなわけでたのしい時間はあっというまに終わって、‥あっという間といっても90分か。2ndアルバムとその前のマキシ2枚から構成されたセットリストはそうなの1stアルバムと1stマキシからはからは1曲も演っていないの。なにこの意思表示。そうして1回目のアンコールはみんな待ってた“one,two,three!fuck'in copyright”。キュート力ここに極まれり。もはや魔法のよう。ご機嫌なホーン隊ありがとう。こんな素敵な夜をありがとう。感動しつつ、ああっ曲が終わってしまうー と 切なくなったところでゾンちゃんのギターがもう一度うなる。そこにホーンが重なって、まさかの“JUMP”*2が始まった。予想外の“JUMP”に客席はすごい歓声。これを聴けるとは思わなかったのでほんとにうれしかった!うれしすぎて鳥肌が立って、その後はにこにこしていた記憶しかない。こんな素敵な歌をこんな素敵なカバーで聴けてしあわせすぎた。CDで聴くよりずっとかっこよくってほんとうに確実に魔法がかかっていたんだから。出来ることならこの演奏、清志郎にも聴いてほしかった。ぜったい気に入ってもらえたと思うので。
ステージを去ったメンバーにアンコールの声が鳴り止まなかったのは言うまでもない。「鳴りやまない終演後 アンコール」すぎてクスっとしちゃうけどステージにもどってきてユリナちゃんの目には涙がにじんでいた。「泣くのはださいからやめろってゾンちゃんに怒られたんだけど‥。‥泣いてないYO!」ってMC可愛いすぎた。「えへへ!“JUMP”いい曲だねー!」。 そして若干モジモジしつつ「もうほんとにやる曲がなくて‥」。確かにアルバムからは全曲演りつくしていた。「オーナーに“挨拶だけでもしてこい”って言われて‥。今日はほんとうにありがとうございましたっ!」。たぶんそれ客席のみんなも同じ気持ちだな。素敵な夜をありがとう! 胸を熱くして今日のライブはおしまい。ああ、ほんとーうにいい夜だった。
ライブが終わって、「たのしかったねえいいライブだったねぇ。わたし最後のユリナちゃんのMCでもらい泣きしちゃった」と言ったら「俺なんてその前の“JUMP”のイントロギターでもらい泣きしてたから」とK。年寄り涙腺ゆるすぎる。

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ユリナキャプテンのMC補足。「ゾンちゃんはキラーチューン製造機だから作っちゃうんですよ、いい曲を。いい曲作っちゃって、でもこれ弾ける人がいないよ?とか誰も歌えないのにどうするの?って困っちゃうんです。でも出来ちゃったから仕方ないんです。止まらないんだから。弾ける人探しだしてお願いしてこうやってかたちになって」「いつも音源が出来るたびに、大満足しながら、こんないいもの作ったはいいけどどうしよう?って。今回のアルバムも、自分たちの出来ることと離れすぎてる気がしてー ‥でも、わたしはこのアルバムが好きで、このアルバムを聴いている時間がほんとに大好きで。ポップソングを聴いている3分間ってなんでも出来そうな気持ちになったりするじゃないですか。聴いてくれた人がそういう気持ちになる、そういう音楽が住所でも出来たらいいなって思ってます。おう、がんばるよっ!」
(思い出しながら書いたので細かい文脈はちがいそう。でもこんなことを言ってくれました。照れ笑いながらも本気が伝わってよい挨拶でした)
  

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余談。ライブが終わって3日後だったかな、「このあいだのライブすっごいよかったけど、実際ガレージっぽい1stも捨てがたいよね。あれが聴けなくなっちゃうのはさびしくない?」と聞いたら、「さびしいよ!あれはあれで大好きだったんだから!」とK。そうだよね、実際「ラモーンズみたいになりたいな♪」を超えるキラーフレーズ出てないもんねえ。いつかガレージとキラーチューンポップがしあわせな融合を果たしますように。(ていうか4月に観たときはどっちも演っていたのでそんなにさびしがるなよって気もしてます)(あと、新しいアルバムの路線て前回の「ガレージ」に比べてわかりやすい説明が付けられなくて結果ポップなのか疑問もあるな。不器用な娘たちめ)

*1:わたしはゾンちゃんドラムのファンなのでこの日は短い間、しかもパワフルさを前面に出さないドラミングがすこしさびしかった。唯一の心残りがあるとしたらここかな、と思ったけれど終盤ギターを抱えグイグイ前にゆく『雄姿』としか言えない姿を見たらその思いは吹っ飛んだ

*2:

KING OF SONGWRITER~SONGS OF KIYOSHIRO COVERS~

KING OF SONGWRITER~SONGS OF KIYOSHIRO COVERS~

こちらに収録