ふろくのミリョク☆展 @弥生美術館

子供の頃、宝物のようだった「ふろく」。次号の予告を見ては一喜一憂し、おめあての「ふろく」を手にした時には、何とも言えない嬉しさが込み上げる。愛しい「ふろく」と過ごした日々は、きっと皆さんの思い出の宝箱にそっとしまわれていることでしょう。そんな思い出深い「ふろく」を、戦前から戦後までの少年・少女雑誌を中心にご覧いただきます。また今回の展示では、特に昭和50年代の少女雑誌にスポットをあて、「ふろく」という存在がどのように変化したかに注目します。
「ふろく」に夢中だったあの懐かしい日々に、少しだけ戻ってみませんか。

「子供の頃、宝物のようだったふろく」? NO!ふろくは宝物だったよ‥。
りぼんっ子だった友人と、こうふん気味にでかけました。(今回長文なのでたたみます)
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1Fは戦前〜戦後復興期のふろくで、ふろくの軍国主義に、「おもちゃで啓蒙しようだなんて憎たらしい!」とか「苔は寒さに一番強い、ってなんの中で一番なの、苔が」「万物だよ‥」と、軽口をたたいたり、ふっくざつな紙の模型(軍艦とかエンパイヤビルとかガスマスクとか。のりをまったく使わず作る仕組みだそう。型紙を考えるのも職人だが、作れる子供も職人であろう)に驚嘆したり(ガスマスク欲しい‥)、戦中はふろくどころじゃないんだもんね・かわいそすぎる‥と胸を痛めたり。のんきなしかけをたのしみながら、こころは「早く2階へあがりたい‥」とじりじり。ごちそうはおなかをすかせてからね、といわんばかりの展示順序がにくらしい*1。それでもじっくりたのしんだのち、階段をかけあがるように2階へ。

田村セツ子や内藤ルネやくるくるくるみちゃん。今見ても新鮮にかわいい。印刷技術があがってビニールコーティングされたり、キラキラしていて絵柄にあってる。胸がおどる。高度成長期よ夢をありがとう。

そしてお待ちかねのりぼんのコーナー。昭和55年てまさに宝物としてふろくを愛でていた時代。陸奥A子のサマーバッグを見たら懐かしさがこみあげるどころが大噴出して、もうもうもう!キャー!て大興奮。かわいい!かわいすぎる。かわいいがちゃちすぎる。だって紙だもん。ちゃちじゃなくてはかないって言おうよ。大事〜にしててもすぐにダメになっちゃうんだよねえ。だって紙だもん。

「あ、でもワタシこのレターラック、中学生のときまで使ってたよ」「え?ワタシそれ憶えてないや。‥ワタシが買いだしたのってきっと4月号か5月号だ。これはハッキリ憶えてるもん」 わー・これあったねえ。なつかしいや。「あ、これわたしが買い出す前の号のふろくだけど見たことある、なんでかな‥。きっと友達が持ってたんだ」「友達が持ってたら見たことあるの?」「だって交換会とかしたじゃん」「交換?」「しないの?」「しないよ。ぜんぶ大事なふろくだもん」「えー・でも、そんな好きじゃないのもあるじゃん。わたし、一条ゆかりの漫画って小学生の頃読めなかったから愛着持てなくて、いっつも使わず残ってた。でも友達もだいたいそうなんで、交換は成立しなかった」「なんで‥!わたし一条ゆかり好きだったよ‥!」「読めたんだ?スゴーイ。大人じゃん」「意味はわかんなかったけどさ、絵が綺麗じゃん」「絵が綺麗?絵がこわくて読めなかったんだよ。あまりに劇画調じゃん」「‥砂の城のころ?」「かなぁ?読み出したのは有閑倶楽部からだよ」「‥‥!あれはちょっとちがうっていうか‥!こいきな奴らがいちばん好き。ちょーおもしろいんだけど」「それ読んだことない」「あ、こいきな奴らはワタシも単行本で読んだんだ。ワタシいっとき、りぼんマスコットコミックスを全部集める!って目標にしてたの。それで古い漫画もがんばって買ってたの」「‥目標っていうか。野望レベルだよそれ」「うん、どう頑張っても無理だってだんだん気づくんだけど‥」 友人の意外な一面(野心家)を見た*2

「その昔の漫画、今も残ってるの?」「ううん、あるときふいにこんなことしてちゃダメだ!て思い立ってぜんぶ捨てちゃった。中学生の頃かな?なんか大人ぶりたい年頃ってあるじゃん。そのときに」「全部?全部捨てちゃったの?」「だってひとつひとつ吟味してたら、一個も捨てられなくなっちゃう」「たしかに」「大人ぶりたいっていっても子供だから、短絡的なんだよね。今考えると、お小遣いをくれてたお母さんに悪いなあ。お金を捨てるようなものだからねえ」「うん‥。でも未だにぜんっぶ大事に取ってあるのもお母さんに悪いよきっと‥」 ふろくを捨てたときのこと思うとふくざつなきもち。でもそうして大人になるのだたぶん。

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そういえば小学生の高学年のころ、夏祭りの屋台に「ふろく屋さん」がでた。1〜2年前のふろくが未開封の状態で売られていたのだ。愛用して、ボロボロにしちゃって、お別れしたふろくたちに再会できるなんて。この世にこんな素敵なことがあるなんて、とぶっ倒れそうになった。今思えば、実にお盆的な思い出かも。

*1:でもこれが正解。りぼんのふろくコーナーで完全燃焼しちゃったもん

*2:もうひとつ、友人の意外な一面。「陸奥A子の描く男の子は、ダサくて好きになれなかった」。なんてこった‥!