わたしいまめまいしたわ〜現代美術における自己と他者 @東京国立近代美術館

(〜略) このような混沌とした状況は、わたしたちが改めて「わたし」のあり方を考え直すチャンスでもあります。 そのためには、ものを見ること、認識すること、そこから紡ぎあげた思考を他者に伝えること、そういったひとつひとつの行為を、繰り返し吟味する作業が不可欠です。そして、これらはまさに今日の美術における重要なテーマとして、多くのアーティストによって探究されてきました。
 今回の展覧会では、東京国立近代美術館京都国立近代美術館国立国際美術館のコレクションを中心として、現代において「わたし」の根拠を問い、「わたし」を取りまく世界を認識し、「他者」との新たな関係を切り拓こうとする作品を集めて、それらを複数の視点からご紹介します。

と・いうのが今回の展覧会コンセプトなのだけど。なーんかわかるようなわからないような。「ものをつくる」ことをしながら、自己と他者と向き合わないでいるなんて、不可能ではないのかしら。なにをご大層に‥?でもあえてこう言い出すからには、勝算があるのでしょうねえ。まあいいやわたしは牛腸茂雄の「SELF AND OTHERS」が見られればいいのだから。てなかんじで強風のなか、東京国立近代美術館へ。
展覧会コンセプトに関しては、未消化な感じがしたけれど、「SELF AND OTHERS」が見られたので満足。たくさんのひとびとのまなざしを。牛腸茂雄のまなざしを。正面から向き合って受け止めることで、よろこびが、動揺が増す。
出口のすぐそばの「針の女」という映像(キムスージャ)。こういう作品てコンセプト勝負なのかなあ、美術としての価値はわたしにはまったくわからないのだけれど、おもしろかった。二度観てしまった。常設展4Fで村山知義の「コンストルクチオン」が見られてそれもよかった。前回来たときには無かったし(常設といっても貸し出し中で留守だったり、展覧概要に沿わなかったりでいつもそこにあるのではない‥よね? 前回見落としただけだったりして)、乙友から借りた「モダン都市東京」の第3章を、まさに昨夜読んだばかりだったので。