かこさとし:だるまちゃんとてんぐちゃん展 

神奈川近代文学館 (すてきなページを見つけたのでリンク(→☆))
かこ作品を語るのに避けることはできない、科学ものの展示ももちろんあり。科学シリーズが出来るまでの工程解説がとてもよかった。10アイデアを考えて、実際使うのは1つだとか、絵はけっこう短期間に描きあげないと、描線や色が変わってしまうとか。この過程は非常に苦しいとか、この過程ではおちおち寝ていられない(楽しくて!)とか。おお、楽しくて‥!
メインの展示はだるまちゃん。ううう血がさわぐ。わたしの見たかった「おおまちがいのとんちんかん」シーンの原画を見ることが出来て大感激。やたらデフォルメされたショックをうけただるまちゃんの顔と、植物図鑑のように精巧な花の対比がたまらない。だるまちゃんの原型といわれている「マトリョーシカちゃん(加古里子名義で出版)」の原作の絵(ロシア産)を見ることが出来たのもうれしかった。でもこの日一番の収穫だったのは、「だるまちゃんとかみなりちゃん」の夢見るかみなり都市の解説(こどものとも149号付録)*1。ファンタスティックな色使いには、こんな科学的根拠があったのね。

大きな放電のため、あたりはイオン化され、地上の色彩にくらべ、あたかもカラーテレビの色のようにけいこうめいた色彩が、ここでは基本色となっています。この放電光と光りさる超道車=雷車(ライカーと呼びましょう)の超音速音が、雲間をもれて、時おりみなさまに達することもあるかと存じます。

達磨という伝統工芸品に、この科学視点。さすがすぎる。

*1:こどものともは、まず月刊誌として発売(ここに詳しい解説がつく)、その後傑作集として単行本として発売(ここには解説つかない。ちょっと歯がゆい)