都会のアリス(1974)/まわり道(1975) @早稲田松竹

早稲田松竹クラッシクスvol.27 ヴィム・ヴェンダース監督特集

都会のアリス [DVD]

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独り言とはひとりで聞くこと。へんな夢を見たわ。‥見たままのものが写真に写らないと言いながらも見たものを写さずにはいられない男に、不機嫌顔の少女が言う。あなたは自分が存在する証拠に写真を撮るのよ。 ‥この映画は、当時のヴェンダースの若い気持ちそのままなのだろうなあ。みずみずしさ、まぶしさ。世界は肯定されたがっている。ヴェンダースの映画のなかでは、今のところこれがいちばん好きなのだけど。それはアリスが可愛いからじゃなくて、話がわかりやすいからじゃなくて*1、あおくさい意思表明がまぶしいからだろうな。いとおしくって、胸をギュッとしめつける。ああこの映画、何度でも観たい。何度でも、世界を肯定*2

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まわり道 デジタルニューマスター版 [DVD]

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以前観たときに「いまいち‥」だったので、歳をとった今こそなにかがわかるかも!と意気込んでいたのだけれど。アリスで感動しすぎたせいか、やっぱりいまいちはいりこめず。でも観ている最中はぼんやり退屈でも、見終わって振り返るとじんわり満足感が残っている。不思議なひかりに満たされた映画。

*1:いや、もちろんこのふたつも重要なんだけど

*2:たぶん、わたしは、世界を肯定してほしいのだと思う