喜劇 女売り出します(1972)/女生きてます 盛り場渡り鳥(1972)@シネマヴェーラ渋谷

森崎東の現在〜

新宿芸能というストリップ斡旋所を舞台とする人情コメディ「喜劇・女シリーズ」。シリーズ4作あるうち、竜子(金沢:森繁の奥さん役)役は、2作を中村メイコ(女は男のふるさとヨ・盛り場渡り鳥)、1作を左幸子(女生きてます)、1作を市原悦子(女売り出します)が担当。んんん誰の竜子がベストなんだろう気になる‥。今日は3作目と4作目を鑑賞。

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喜劇・女売り出します [VHS]

喜劇・女売り出します [VHS]

金沢夫婦を軸とした、ホームドラマっぽい展開。気前よく物語が展開してゆくのが小気味よい。泣き笑いを過剰につめこみながら、重くない(軽くもない)。女性の下着のかたち(矯正力なさそうなブラにでっかいパンツ。夏純子が実にいまっぽいハーフ顔なのでコントラストがすごいことになっている)とかタバコの値段とか(コカ・コーラの自販機のスタイルに衝撃を受けたのは「盛り場渡り鳥」のほうか)、意外に知らない当時の生活ぶりがのぞけるのも面白い。歓楽街新宿ものどか。

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(なぜか「盛り場渡り鳥」はアマゾンで該当セズ。しょぼん)
さらに過剰につめこんできた最終作。母子の確執、擬似家族(コミューン?)、男の思いに女の思い。コレデモカコレデモカと特大に盛り付けられ‥。たっくさん詰め込んだので、観た者が各々のバイタリティで消化しておくよーに‥みたいな按配。が、がんばって飲み込むよ。山崎努のギャグのような爆発演技が素晴らしく圧巻。
この映画の私的困った点2つ。1)色情狂のお母ちゃん(春川ますみ)、顔が真っ白になるまで白粉をはたき、襦袢がはだけて脚があらわになるような困ったおばちゃんなのに、着ている着物がどれもわたし好み(季節が夏なのもナァ←着物は夏の透け感が好き)。粋さと下町っぽさがほどよくミックスされていて、どれも素敵だよ、ちくしょう。 2)浪人でストーカーちっくな青年役のなべおさみ。どうしょうもない役なのに、なかなかどうしてチャーミング‥(に見える)。そういえばわたし、昔、なべやかん好きだったなあ‥(後半なんか、自分の嗜好に関しての悩み相談じみてきた)。

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こうなることは予想していたけれど。ヴェーラの森崎特集、もっとしっかり通えばよかった*1

*1:特に観たかった「ヒモ出し天国」と「時代屋の女房」に行くのが無理っぽいと気付いた時点でやる気がだいぶんそがれてしまった