ナオミ(1993)/ベストフレンド(1998) @ポレポレ東中野

R18 LOVE CINEMA SHOWCASE vol.6 林由美香×松江哲明特集上映
もうすぐ公開される「あんにょん由美香」の予習のつもりで。女優林由美香をまったく知らない*1ので、どれを見ようか悩んだけれど、本業(?)のピンク映画も見なくちゃいけないんだろうなあと思い、日にち的にこの日くらいしかなかったのと、チラシの作品解説(↓)がとっつきやすそうだったので。しかしAVとピンク映画の区別もつかないわたしには、なかなかどうして壁は厚かった。

【ナオミ(1993)】
監督:サトウトシキ/出演:林由美香・ゐろはに京子・紀野真人・吉行由美/カラー/55分
主人公のファナティックな同性愛を奇妙なユーモアを交えながらアップテンポで見せてゆくスリリングな愛憎劇。林由美香は一切台詞なしのファム・ファタールを演じ、93年ピンク大賞作品賞、堂々の女優賞と輝いた。(成人映画館題「ペッティングレズ 性感帯」)

物語として、ヘンな映画だった。疲れているときに見る夢みたいな破綻。いろいろ不快(セックスシーンが不快って、致命的ではないかしら。主役の女優さんの薄暗い情念も不快だった)だけれど、緑のなかに白いシーツがきもちよくひるがえるところとか、妙に心に残るものがある。いやだ・きらいだと言い切れないのがいちばん不快かも。隣の席の男性が爆睡していて、どうしてこの(あらゆる方向から)スリリングな展開で眠れるのか不思議だった。

【ベストフレンド(1998)】
監督:吉行由美/出演:林由美香川瀬陽太・石川雄也・原佐知子/カラー/60分
「好きな人が好きな人−って、好きだよね。」ジェンダーを越えた愛と友情の三角関係を軽快に綴ったピュア・ストーリー。吉行監督が「林由美香のアイドル映画」と語るとおり、キュートでポップな彼女の魅力がいっぱいにあふれた好編。(成人映画館題「発情娘 糸ひき生下着」)

明るくポップで、昔のトレンディドラマみたいなかんじ(トレンディドラマをちゃんと見たことないのであくまで印象だけど。それくらいエロの敷居が低くて見やすかった。監督が女性だからかなあ。セックスシーンもじゃれたり頭をなでたり、おだやか)(成人映画館上映時のタイトルは、なんという反則‥)。そのちょい昔感ふくめて、かわいらしくて和めた。好きな人が好きな人って−−という台詞の意味はいまいちわからないけど。どちらの作品も登場人物の洋服とか部屋とか街の様子がリアルに当時でおもしろかった。隣の席の男性は、この映画でもやっぱり寝ていた。

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映画館はしごして家に帰ったら、今年が半分終わっていた。いろいろなことがあっというまだな。

*1:はてなのキーワードから、「野方ホープ軒の社長の娘」と知り、そういえば野方ホープ軒の社長の娘が女優さんだという噂を聞いたことあるよ!由美香さんだったのかー‥。ほほう‥の気持ち