修羅雪姫(1973)/でんきくらげ(1970) @新文芸坐

女優魂 中原早苗」出版記念 映画夫婦渡世

修羅雪姫 [DVD]

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すんごい久しぶり(2000年10月のシネパトスのレイトショー以来)に観たのだけれど。ほとんど初見のような感触に愕然*1。自分、記憶がザルすぎる。そんな自分に驚きながらも、梶芽衣子はすさまじいまでの美しさだった。着物姿*2が日本髪*3が眼福。その美しい白い肌が、赤い血に汚れる眼福。こういうふうに惚けて観てるから、あとになにも残らないのか。残るべきものがなにもない、愛すべきB級プログラムってことで。
(今日の二本立ては、女優中原早苗特集。中原早苗ってどの人だっけ?と思ったら。胴体をまっぷたつにされる女の悪党役だった。胴体まっぷたつ‥(バナナ)。まっぷたつはどうかと思うけど憎々しさとバイタリティは爽快で、なるほど女優魂*4

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でんきくらげ [DVD]

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続いて渥美マリ。はて、渥美マリってどうなんだろうか。何度観ても納得のいかない美人度。お多福ときどきコケティッシュというか、藤子・F・不二雄の描く女の人、というかU子さん(フロム「オバQ」)みたい。ということは、見る人が見たら美人なのか。そうか。
女優の見せる夢にもいろいろあって、とびきりの美人が思いきりの絵空事で美しさをスパークさせる夢もあれば、コケティッシュな娘が庶民的な裸体を披露してくれる夢もあり‥。いろいろなのね(渥美マリ映画に対してはこんな感想しか持てない)。この頃の小悪魔もお色気も、人が好くってのんびりしてる。たまたまなのだろうけれど、「修羅雪姫」も「でんきくらげ」も母と娘の絆*5の物語だった。
(ちなみにこちらの中原早苗はバーのマダム役。女優魂を出そうにも出す隙なし、みたいな脇の役。なんでこの一本を特集上映に‥?)

*1:シネパトスで観たときの記憶で残っているのは、映画のまえにDちゃんとトップスでカレーを食べたこと、梶芽衣子が美しかったこと、のみ。映画を観つつ「ここ覚えてる」と思ったのは冒頭、刑務所のなかから雪を見る場面、少女期樽に入って修行をする場面、のみ。‥以前観たのは「怨み恋歌」のほうだったのかしら

*2:やわらかもので粋って貴重な気がする。特筆すべきは半襟使い。着物と帯だけだと突飛に感じる色合わせに、半襟で補色をたして、調和を取ったり。ちいさな布に無限の可能性見た(帯揚げと帯締めだってそうじゃない?と思うだろうけど、お雪さん(梶芽衣子)は一貫して半幅帯なので、帯揚げ&帯締めはない。そのぶん半襟パワーがすごい)(この半幅帯の締め方も、あだっぽくて格好好い‥!)(着物を着ているので肌の露出はほとんどないのだけれど、そのぶん白い二の腕(というか肩)が露わになったシーンにおそろしい色香が。着物ってすごいね)

*3:さそりとして髪をおろしているときより、美しさ3割増と思う。(でも頭髪を全部隠した頭巾姿がいちばん綺麗な気も)(修羅雪姫の美しさってほんとに実用向けじゃないわね‥)

*4:こういうの演じるの楽しいだろうな!

*5:というか同一化