わたしとS線

わたしが通勤につかっている私鉄のS線は、節電をモロにうけ、地獄の混雑になってしまった。どこの電車も混雑していただろうけど、自家発電機を持っている会社は強い。わたしの使っているS線は(貧乏なのか)、都内で1,2位を争う乗車率になっていたと会社の同僚が教えてくれた。乗車率300%以上だったとか。
特に、朝の混雑は地獄絵図*1。ギュウギュウ詰めの電車が終点のターミナル駅についたときには、隣のお嬢さんとハイタッチでもしたい気持ちだった。もっとも人間は、ひとりでは、ハイタッチ、できないけど。地獄絵図だった電車のなかは、文庫本を開くスペースもないので、アイポットだけがわたしの味方。電車のなか、アイポットもつけずひたすら耐えているおじさんたちは、どうやって心に平和を保っているのだろう。‥ハッ‥!愛する人のことを考えているの?だとしたらわたし、人として未熟すぎてはずかしい。
そんな大混雑のS線。夕方は、駅に、入場制限があった。「待て」をされて、じりじり耐えるわたしたち乗客*2。目の前で、年配の駅員さんが、「ケンタロウ!ケンタロウはどこだ?おーいケンタロウ!」と、ケンタロウ(仮名です)を呼んでいた。ケンタロウという若手駅員さんがいるのね‥、と思いながらぼんやりしていると、「はーい!」とあらわれたケンタロウは、どうみても40代。百歩譲っても30代後半で、べつに若くもないくせに、なんで下の名前で呼ばれているの?中途入社の新人いじめか‥?むくむくわきあがる疑問と人生に対する愛着。たのしいやらおめでたいやらの気持ちになった、あれはきっと震災ハイ。

*1:帰りはひたすら30分くらい待てば、とりあえず座れるので。座ったところで前に立ってる人の膝がぶつかって寝たりはできないんだけど。ほんとに脚にアザできた

*2:まだ乗ってない