シャッターとわたし

展覧会を観終わって外に出たところで、これから展覧会に向かう50代のご夫婦とすれ違う。きっとJJ氏に憧れた青春を過ごしたのだろう。いいな、うらやましい。入り口のJJ氏のコラージュポスターのところで、携帯カメラでお互いを撮りあっていた。いいな、ほほえましい。「二人ご一緒の写真を御撮りしましょうか」声をかけようかと悩む。この年代て二人で出掛けても一緒の写真て撮らないよねえ、自分から周囲にシャッターのお願いはしないだろうし、ここでわたしが一肌ぬごうか。立ち止まって考える。ここで‥ここで声をかけたら‥。ああ、でも、断られたら恥ずかしい。わたしらがそんな浮かれポンチに見えますか、なんて腹を立てられたら困ってしまう(でも若干そう見える)(思わず浮かれてしまう人って好き。のんきでかわいらしい)。どうしよう‥。考えがまとまらず、その場を動けない。ああ‥。悩んだ末、後ろ髪をひかれながら、声をかけずにその場をはなれた。ああ、今日も、勇気がでなかった。そう、わたしは、いつでもシャッター押しますよ!いつでも声をかけてください!のきもちで道を歩いている女。でもぜんぜん声かけられない(なぜだか道はしょっちゅう聞かれるが、残念ながら道案内の説明がうまく出来たためしがなく。そのためかわりにシャッター押しますよの気持ちで生きているのに)。ああ、今日も‥。とぼとぼ駅まで歩くと、電車が出たばかりだった。ああ‥。シャッターのことなど考えずにさっさと通り過ぎるか、しっかり声かけてシャッターおしまくればよかった‥。陽だまりのベンチで、電車が来るまで後悔をかみしめた。
家に帰ってK*1にこの話をすると、「俺ならゼッタイ笑顔で声かけるのに。だめだなー」と一喝された*2。くすん。

*1:一週間の研修を終えぶじ帰ってきました。連日の飲み会で少し太って。←お互い羽を伸ばしてイタンダネ‥

*2:こんな爽やか発言をしているけれど、平日に自転車に乗っているだけでおまわりさんに職務質問をうける男ですKは。しかし職務質問だと気付かず、「親切なおまわりさんに声かけられちゃった!」と発言すらあたり、爽やかではある。爽やかな不審者